愛とは何かを考えさせられる映画『予期せぬ出来事』・・・【情熱的読書人間のないしょ話(2249)】
【読書クラブ 本好きですか? 2021年6月9日号】
情熱的読書人間のないしょ話(2249)
新型コロナウイルス感染症拡大防止のため予約入園制が実施されている東京・文京の小石川後楽園では、さまざまな色合いのハナショウブが咲き競っています。因みに、本日の歩数は13,157でした。
閑話休題、グランドホテル方式の映画『予期せぬ出来事』(DVD『予期せぬ出来事』<アンソニー・アスキス監督、エリザベス・テイラー、リチャード・バートン、オーソン・ウェルズ出演、復刻シネマライブラリー>)には、愛とは何かを考えさせられました。
冬のロンドンのヒースロー空港を舞台に、濃霧で航空機が離陸できなくなったため、大物経済人夫妻と、その妻と駆け落ちしようとしている愛人、乗っ取りを防ごうと苦労する少壮実業家と、その女性秘書、脱税目的の渡航を目論む映画プロデューサーと女優などの人生が交錯します。
愛されるとは、経済的恩恵を与えられることではなく、相手に必要とされることだと教えられました。
脚本のテレンス・ラティガンが、親友ヴィヴィアン・リーが夫のローレンス・オリヴィエと別れて愛人のピーター・フィンチと駆け落ちしようとしたが、霧で航空機の離陸が遅れ、オリヴィエと元の鞘に収まった出来事から題材を得たという裏話を知ると、一層興趣が増します。