白人系遊牧民アーリヤ人がインドを征服して支配層になったという「インド・アーリヤ人征服説」は間違いだと主張する書・・・【情熱的読書人間のないしょ話(2465)】
ルリビタキの雌(写真1、2)、ジョウビタキの雌(写真3)、アオジの雄(写真4、5)、雌(写真6、7)、シロハラ(写真8、9)をカメラに収めました。ノスリ(写真10)が上空を旋回しています。カケスの姿を捉えたが、撮影には失敗(涙)。私の留守中に、撮影助手(女房)が庭にやって来たジョウビタキの雄(写真11)を撮影していました。因みに、本日の歩数は11,180でした。
閑話休題、歴史教科書にも記載されている、白人系遊牧民アーリヤ人がインドを征服して支配層になったという「インド・アーリヤ人征服説」は間違いだと主張する書『古代インド文明の謎』(堀晄著、吉川弘文館)を手にしました。
「青銅器時代後期から初期鉄器時代の中央アジアには、他地域から侵入して在地の文化を圧倒した集団、あるいは文化は認められないであろう。青銅器時代前期、中期、あるいは金石併用期に遡っても、この状況は変わらない。インド・アーリヤ語族、あるいはインド・イラン語族の大規模な民族移動があったという仮説は、考古学的には支持するに足る証拠は全くない」。
「遺伝子分布地図によれば、北インドも南インドも同じタイプの人類が分布し、バルチスタン以西のイラン系のタイプとは一線を画していることが注目されよう。南インドには肌の黒いドラビダ系民族、北インドには肌の白いアーリヤ系民族が住んでいると一般には説明されているが、それらは肌色の傾向の違いにすぎず、遺伝子的には同じタイプに属していると考えられるのである」。
「インダスの人骨と現代のパキスタン北部の人々(いわゆるインド・アーリヤ系)が形質的に同じ系統に属するということは、歴史的に大きな民族変動がなかったことを示す可能性がある」。
「インド・アーリヤ民族なるものが南ロシアから大挙してやってきたとは、少なくとも考古学や聞きかじりの人類学などからして、到底考えられないと思う」。
著者の仮説はまだ少数派のようだが、実証的で説得力があると私は考えています。定説を疑う大切さ、そして面白さを教えてくれる一冊です。