一言で言っちゃえば、愛が冷めて別れようとする男と、別れたくない女の物語だぜ・・・【情熱的読書人間のないしょ話(2488)】
【読書クラブ 本好きですか? 2022年2月8日号】
情熱的読書人間のないしょ話(2488)
キジバト(写真1)、ヒヨドリ(写真2~4)、ハクセキレイ(写真5)をカメラに収めました。セイヨウアブラナ(ナノハナ。写真6、7)、ハーデンベルギア・ヴィオラセア(写真8、9)が咲いています。
それはそれとして、『アドルフ』(バンジャマン・コンスタン著、中村佳子訳、光文社古典新訳文庫)てえのは、何とも、締まらねえ話だぜ。
大臣の息子のアドルフちゅうぼんぼんが、10歳年上の、P伯爵の滅茶いかす愛人エレノールに近づき、何のかんのと甘いことを言いまくって関係を持っちゃうんだ。二人の関係をP伯爵に感づかれたエレノールは、伯爵との間の子供たちも何もかも捨てて、アドルフと生きていくという茨の道を選ぶんだ。
ところがどっこい、熱に浮かされた日々は長くは続かず、愛が冷めちまったアドルフは、エレノールと何とかして別れようと、あくせくするんだ。これに気づいた、今やアドルフなしでは夜も日も明けぬエレノールは、そうはさせじと頑張っちゃうわけだ。アドルフというのが呆れるほど優柔不断な奴で、なかなかズバッと別れ話を切り出せず、ぐずぐず状態がズルズルズルと3年間も続いちまうという物語さ。その挙げ句、何が起こったかは、おっと、喋っちゃまずいな。
1816年に出版された『アドルフ』が、今でも読まれてるっていうのは、時代、環境、状況は違っても、同じようなことが起こっているってことじゃないかな。それにしても、男と女の間ちゅうのは、難しいもんでんな。ま、俺も大きな口は叩けないけどな。