久美子は料理学校に通い始めたのだが、彼女の身に危険が・・・ ・・・【山椒読書論(688)】
【読書クラブ 本好きですか? 2022年3月19日号】
山椒読書論(688)
コミックス『西岸良平名作集 赤い雲』(西岸良平著、双葉社)に収められている「地獄の料理人」は、西岸良平の不思議な世界を味わうことができる。
「いいですか、お嬢さん、女性が男性のハートをしっかりつかまえるための最大の武器は、美貌でも豊かなバストでも・・・知性や教養でもない! それはズバリ、料理の腕ですよ! 料理の腕!! 相手がどんな美人でもグラマーでも、男ってのはあきっぽい動物でしてね。そういう上べだけの魅力は、半年も一緒にいれば鼻についてくるもんです。だから頭の良い男性は、そんな女は遊び相手にするだけで、結婚相手にはしませんよ。選ぶのは料理の上手な女性です」。
「結婚生活というものは夢やロマンじゃなくて、長い現実ですからねー。10年、20年たてば、どんな美人も、すぐババアになり・・・知性や教養も何の役にも立ちゃしない。結局、男の幸せとは、おいしいご飯をつくる女性がいるかどうかですよ、アハハハ」。「おじさんの奥さんは、さぞお料理が上手なんでしょうねえ」。「いえ、わたしはまだ独身です・・・」。
そこで、久美子は料理学校に通い始めたのだが、彼女の身に危険が・・・。
気分転換したいとき、西岸作品に手が伸びてしまう私。