突然、死んだと思われていた昔の恋人がトモコの前に現れて・・・ ・・・【山椒読書論(686)】
【読書クラブ 本好きですか? 2022年3月17日号】
山椒読書論(686)
コミックス『三丁目の夕日 傑作集(その1 心に残る話)』(西岸良平著、小学館)に収められている「桜の木の下で」は、こんな物語だ。
「春だというのに貧乏ひまなし」の鈴木オートの鈴木則文は、妻・トモエ、息子・一平、従業員・六郎との4人で、近くの土手まで花見に。
桜の木の下で一杯やりながら、則文は昔を懐かしむ。「母さんと初めて会ったのも、あの桜の木の下だなあ・・・毎日会社にいく道だったけど・・・母さんはいつもあの木の下に立っていたっけ・・・今にして思えば、母さんはわしを待っていたんだなあ。プロポーズはわしからだったけどね、ハハハ」。
ところが、実際は、トモエは愛し合う恋人と別れざるを得ず、その後、則文と結婚していたのである。
突然、死んだと思われていた昔の恋人がトモコの前に現れて・・・。
気分が落ち込んだとき、西岸良平の作品を手にする私。