「社会を変える新しい民主主義」を考える対談集・・・【情熱的読書人間のないしょ話(2562)】
水底から湧いてきたかのように、多数のカエルの幼生(オタマジャクシ。写真1~3)が泳いでいます。ミシシッピアカミミガメ(写真4、5)が一列に並んで日光浴をしています。ツグミ(写真6)をカメラに収めました。カリン(写真7~9)が咲いています。あちこちで、フジ(写真10~13)が芳香を放っています。大学生のアーチェリーの練習(写真14)を目にして、大学時代に習った弓道の射法八節を懐かしく思い出してしまいました。我が家の庭では、エビネ(写真15)が見頃を迎えています。
閑話休題、『自分で始めた人たち――社会を変える新しい民主主義』(宇野重規著、大和書房)は、「社会を変える新しい民主主義」を考える対談集です。
本書のポイントは、①デジタル化時代の民主主義、②日常に根差した民主主義、③社会を変える人の力――の3つです。
SDGs17の目標が掲げられています――①貧困をなくそう、②飢餓をゼロに、③すべての人に健康と福祉を、④質の高い教育をみんなに、⑤ジェンダー平等を実現しよう、⑥安全な水とトイレを世界中に、⑦エネルギーをみんなにそしてクリーンに、⑧働きがいも経済成長も、⑨産業と技術革新の基盤をつくろう、⑩人や国の不平等をなくそう、⑪住み続けられるまちづくりを、⑫つくる責任つかう責任、⑬気候変動に具体的な対策を、⑭海の豊かさを守ろう、⑮陸の豊かさも守ろう、⑯平和と公正をすべての人に、⑰パートナーシップで目標を達成しよう。
「国谷(裕子)さんがまず外国人実習生の問題から指摘されたのは非常に象徴的です。実際には奴隷状態とも言える過酷な労働条件の下で搾取されている人たちがいる。そういう人たちの下支えによって社会が動いている現状がありながら、自分たちは直接雇用していないから関係ない、と言えるのかどうか。消費者も同じです。自分たちが消費しているものが、誰の手でどういうところで作られているのかまで考えなくては、SDGsの理念が社会に定着したとは言えませんよね。『誰一人取り残さない』という社会理念自体が、SDGsをきっかけに実現していく。そこまでいって初めて、SDGsが意味を持ったと言えるけれど、まだまだ道のりは遠いのですね」。
「オープンデータやオープンガバナンスという考え方を取り入れ、政治をもっと自分たちの暮らしに直結した身近なものにしていくんだ、と熱く語っていた姿が強く印象に残りました」。
オープンデータ&オープンガバナンスが説明されています――①機械判読ができる(コンピュータで読み込めないといけないので、紙の文書などではダメ)、②二次利用可能(誰でも自由に加工・複製できる)、③無償で利用できる。上記の条件を満たしたうえで公開されたデータをオープンデータという。国にも地方公共団体にも、これに取り組む責務がある! このオープンデータを活用しつつ、市民も主役、行政も主役で、ともに織りなすのがオープンガバナンス!
「データを使うと、自分の主張を客観的に説明できるというのが、とても大きなメリットだと思います」。
「性別にかかわらず一人ひとりがこの社会を作る一員として生きていく覚悟が必要です。世の中は変わります。だから若い人たちは覚悟を持って自分をどんどん表に出していって、自分にできる、好きなことから取り組む気持ちで、この社会変革に立ち向かってほしいと思います」。