榎戸誠の情熱的読書のすすめ -3つの読書論・ことばのオアシス・国語力常識クイズ(一問一答!)-

話し方のベストセラー100冊のエッセンスがぎゅっと凝縮している本・・・【MRのための読書論(197)】

【ミクスOnline 2022年5月24日号】 MRのための読書論(197)

100冊のエッセンス

「話し方のベストセラー100冊」のポイントを1冊にまとめてみた。』(藤𠮷豊・小川真理子著、日経BP)は、話し方を効率的に向上させたい人には、最適な一冊である。話し方のベストセラー100冊のエッセンスがぎゅっと凝縮しているからだ。

最重要な7つのルール

●1位=会話は「相手」を中心に
①「話す」よりも「聞く」が大事
②相手の意見を否定しない
③相手が求めている話をする
●2位=「伝える順番」が「伝わり方」を決める
①「結論」を最初に伝える
②「結論→説明」の「逆三角形型」が基本
③説得力を高めたいときは「結論→理由→具体例→結論」の「PREP法」(▶Point▶Reason▶Example▶Point)
●3位=話し方にメリハリをつける
①声の大きさ、高さに変化をつける
②人前では、ゆっくり話す
③「間」を意識する
④語尾をはっきり発音する
●4位=「いい質問」で話を引き出す
①「クローズドクエスチョン」で事実を確認
②「オープンクエスチョン」で話を広げる
③質問は「具体的」に
●5位=「鉄板ネタ」で雑談がとぎれず盛り上がる
①「12」のテーマで雑談が自然と盛り上がる(▶食べ物▶出身地▶旅行▶天気・季節▶スポーツ▶ペット▶仕事▶健康▶身につけているもの・使っているもの▶最近のニュース▶最近の自分のこと・最近の相手のこと▶エンタテインメント)
②雑談にはふさわしくないNGネタに要注意
●6位=「ほめ」は人間関係の潤滑油
①「ほめ+理由」で具体的にほめる
②結果だけでなく、「プロセス」もほめる
③「人前」でほめる
④「なんでもほめればいい」わけではない
●7位=相手の目を見る
①視線の「高さ」を合わせる
②目だけを凝視しない
③人前で話すときも、一人ひとりに目を合わせる

話が上手な人に学ぶ

●具体的に話す
●「相づち」と「うなずき」は「共感のサイン」
●話は「短い」ほうがいい
●悪口は言わない、聞かない、関わらない
●身振り、手振りを加える
●相手の話をさえぎらない
●要点は絞ったほうが伝わる
●会話もプレゼンも「導入」がキモ
●スピーチは「準備」が9割
●練習で、誰でも話し上手・伝え上手になれる
●「すみません」より「ありがとう」を選ぶ
●語彙力と伝える力は比例する
●立場の違う人にこそ、きちんと敬意を払う
●相手の名前をしっかり覚える
●大事なことは繰り返し伝える
●「あのー」「えっと」を使わない

知っているだけでは何にもならない。これらのうち、いくつのコツを身につけて実行できるかが勝負だ。