質問力という筋肉を鍛えよう・・・【MRのための読書論(200)】
質問力という筋肉
『質問力を鍛える本』(ウォーレン・バーガー著、八木龍平監訳、田村豪訳、ニュートン新書)は、理屈をあれこれ捏ね回すよりも、質問力という筋肉を鍛えろと吼える実践的な本である。
質問力が必要な理由
仕事や人生でどんなに難しい状況に直面しようとも、問いを立てる時間と手間をとるだけで、よりよい決断や、より生産的な行動へと自らを導くことができるというのだ。その問いは正しくなければならない、そして複雑な課題の核心に迫るもの、あるいは古い問題を新たな光の下で見ることを可能にするものでなければならないという条件付きだが。
美しい質問
著者の言う「美しい質問」とは、落ち着いてよく考え、視野を広げ、偏見や創造性への障害、感情的反応を超えるように促してくれる質問である。美しい質問の効果として、①何かを決める、②何かをつくる、③人とつながる、④有能で役立つリーダーになろうとする――といった重要局面で、あなたを正しい方向に導いてくれると断言している。
具体的な質問例
●自分が間違っていたことを発見したときの「嬉しい驚き」を楽しんでいるか?
●一番よい方法は何か?
●どうすれば○○できるか?
●自分を一文で表すと?
●何に悩まされているか?
●今日一番の出来事は何ですか?(「お元気ですか?」の代わりに)
●今、ワクワクしていることは何ですか?(「お元気ですか?」の代わりに)
●この集まりで一番楽しみにしていることは何ですか?(「お元気ですか?」の代わりに)
●あなたが最も情熱を傾けていることは何ですか?(「何をしているのですか?」の代わりに)
●あなたが解決したいと思っている問題は何ですか?(「何をしているのですか?」の代わりに)
●あなたが今日中に達成しなければならないことで最も重要なことは何ですか? そのなかで私が役に立てることはありますか?(上司が喜ぶ質問)
●最近、一番楽しみにしていることは何ですか?
●今週やったこと、学んだことで一番面白かったのは何ですか?
●もし世界中の誰でも選べるなら、誰と一緒に午後を過ごしたいですか?
榎戸の魔法の質問
私は三共(現・第一三共)という製薬企業で第一線のMR(医薬情報担当者)を20年間、務めたが、常にトップ・クラスの実績を残すことができたのは、2つの魔法の質問のおかげだと考えている。
●○○先生、先生にとって現在、一番重要な課題は何でしょうか? その課題解決で私がお手伝いできることは何でしょうか?
●〇〇先生、現在、先生が一番高く評価していらっしゃるMRは誰ですか? そのMRの一番評価できる点は何でしょうか?
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