評判のいい少年が深夜に家を抜け出し、自転車に乗っていたのはなぜか。パトカーから逃れようとして激突死したのはなぜか・・・【情熱的読書人間のないしょ話(2685)】
【読書クラブ 本好きですか? 2022年8月23日号】
情熱的読書人間のないしょ話(2685)
パンパスグラス(シロガネヨシ。写真1、2)の花穂が風に揺れています。アサガオ(写真3、4)が咲いています。
閑話休題、読書クラブ仲間の遠藤俊也氏の書評に刺激されて、『あの日、君は何をした』(まさきとしか著、小学館文庫)を手にしました。
北関東の地方都市で、平凡ながら幸せな生活を送っていた一家は、2004年、地元の難関高校に合格したばかりの大樹が、連続殺人事件の容疑者に間違われて事故死したことで、一変してしまいます。
大樹が深夜に家を抜け出し、自転車に乗っていたのはなぜか。連続殺人犯捜索中のパトカーから逃れようとして、トラックに激突して死んでしまったのはなぜか。
15年後の2019年、東京・新宿で若い女性が殺害され、重要参考人の不倫相手が行方不明になります。
この殺人事件を担当する刑事の三ツ矢は、今回の事件と、一見、無関係に見える15年前の少年の事故死との間に何らかの繋がりがあるのでないかと睨み、部下の田所とともに、粘り強く捜査を続けていきます。
三ツ矢らの努力が実り、遂に、衝撃の真相が明らかにされるのだが、どっこい、物語はここで終わりません。
最後の最後に至って、心も凍る、どんでん返しが待ち構えているとは!
迂闊にも、これほど力量のある推理作家が、日本に存在していることを知りませんでした。読書クラブに参加していて、本当によかったと感慨に耽っています。