賢人・出口治明の脳卒中後遺症のリハビリ奮闘記から学んだ3つのこと・・・【山椒読書論(741)】
【読書クラブ 本好きですか? 2022年9月10日号】
山椒読書論(741)
賢人・出口治明の脳卒中後遺症のリハビリ奮闘記『復活への底力――運命を受け入れ、前向きに生きる』(出口治明著、講談社現代新書)を読んで、3つのことを学んだ。
第1は、どんなに順調な人生を歩んでいようと、一寸先に、思いもかけない運命が大口を開けて待ち構えているか分からないこと。
第2は、不幸にも脳卒中に見舞われた場合の後遺症とはどんなものか、そして、そのリハビリが精神的にも肉体的にも、いかにハードなものであるかということ。
第3は、私は出口治明ほど順調な人生は歩んでいないが、彼と同様な運命に遭ったとしても、出口を見倣うことによって、何とか前向きに生きることができそうなこと。
「人生にはどうしようもないことが山ほど起こります。『自分はなんて不幸なんだ、不運なんだ』と嘆いても仕方がありません」。
「何より、人生は楽しまなければ損です。以前と同じようには動けなくなったからといって、落ち込んでいる暇などありません」。
「APU学長の校務に復帰できて本当に嬉しいかぎりです。脳卒中を発症し、右手右足が動かず、ほとんど話すこともできない状態でしたが、電動車いすで自由に移動ができ、ゆっくりですが話せるようになりました。『迷ったらやる』の精神でリハビリを続けています」。