年齢とともに衰えやすい前頭葉を鍛えよう・・・【情熱的読書人間のないしょ話(2711)】
クズ(写真1、2)、ハナトラノオ(カクトラノオ。写真3、4)、カラマツソウ(写真5)、センニンソウ(写真6、7)が咲いています。シャリンバイ(写真8)が実を付けています。
閑話休題、『定年後の勉強法』(和田秀樹著、ちくま新書)から、いい刺激を受けることができました。
「年齢を重ねていくに従って遊びを覚えていく、勉強に楽しみを見出していくというスタイルで勉強していく方が、メンタルヘルスの観点からもよいのです。また、定年後の人たちというのは、詰め込んだものは十分あるわけですから、むしろ、これ以上詰め込むというより、これまで詰め込んだ知識をどう使うか、創造性をどう導いていくかというふうにシフトすべきです」。
「創造性を重視する勉強は、年齢とともに衰えやすい前頭葉を鍛えるという効用もあります。・・・前頭葉が老化すると、意欲を持って物事に取り組んだり、自分で考えをまとめたりすることが苦手になるなどの変化が現れます。意図的に前頭葉を使う習慣をつけないと、クリエイティビティも意欲も下がっていってしまいます。・・・人間の前頭葉は、脳全体のなかで大きな部分を占めます。このために、加齢によって萎縮をはじめたとしても、残っている部分を鍛えていけば、鍛えただけの効果があると考えられます」。
「定年前後は前頭葉を鍛えるために、『ほかの可能性を考えてみる』『想定外のことに対応する』といった多様な答えを導き出すための勉強法に切り替える必要があるのです。もちろん、多様な考え方を生み出すためには、それまでに脳内に入力されている情報(これがいわゆる知識)が重要で、その情報によって発想は左右されることはいうまでもありません。・・・コンテンツ学力が重要なタームを入力するインプット型の学力だとすれば、インプットされた知識の形を変えてアウトプットするか。アウトプットできなくてもそのコンテンツを学びとる過程を別のインプットにも活かすというのが、ノウハウ学力です」。
「こうしたアウトプット力は今後ますます必要になります。これらを意識して勉強していけば、定年後、話が盛り上がる人だと評価されたり、人徳があると思われたり、存在するだけで落ち着くといった知の賢人として評価されたりして、他人が自分を魅力的と思って必要としてくれるようになるはずです。そのためには、自分なりのポイントを見つけておくことが必要です。自分の得意分野をひとつ見つけて、いつまでも勉強する意欲を持つことが大切になってきます。自分が興味を持った分野の知識をさらにアップロードしていくことは、知識のメンテナンスの意味からも重要です」。著者が考えるこれらの効果は、私が目指す効果とは、微妙にずれています。
具体的なアドヴァイスも印象に残りました。
●異論を受け入れる余裕を持つ。
●欲望に忠実になる。自分の欲望を満たすためにどうしたらいいかと考えることも思考力を高めることにつながっていく。いくつになっても何でも楽しめる人でいることは満足して生きる上では重要。
●意欲がわくものを試行する。
●恥意識など捨ててしまう。