「若者の本離れが進んでいる」という風説をデータ分析で完全否定・・・【情熱的読書人間のないしょ話(3121)】
オナガガモの雄(写真1~3)、雌(写真4)、オカヨシガモの雄と雌(写真5、右が雄)、雄(写真6)、ヒドリガモの雄と雌(写真7、奥が雄)、雄(写真8)、ハシビロガモの雌(写真9の左)、マガモの雄(写真10、11)、雌(写真12)、オオバン(写真13)、アオサギ(写真14)をカメラに収めました。
閑話休題、『「若者の読書離れ」というウソ――中高生はどのくらい、どんな本を読んでいるのか』(飯田一史著、平凡社新書)は、「若者の本離れが進んでいる」、「歯応えのある文学を読まなくなった」といった風説は誤りだと、著者によるデータ分析結果に基づいて喝破しています。
「小中学生の書籍の読書量は過去最高レベルにまで増えており、不読率は減っている。高校生は不読率に関してはピーク時より2割ほど改善され『ふたりにひとりが読まない』状態にある。高校生の平均読書冊数は直近で月1.6冊だが、70年代以降ずっと月2冊以上といったことはなく、横ばいである。『本離れ』とは過去と比べて減っている状態のことだから、高校生についても『本離れした』とは言えない。大学生の不読率は上昇し、『ふたりにひとりが読まない』。ただし、大学進学率向上によって従来であれば大学に行かなかった学力層まで進学している。また、入試方法が多様化しており『本を読んで学ぶ』タイプではない学生が増加していると推察される。国民全体に対する読書調査を見ても長年にわたって『ふたりにひとりが読まない』のであり、『大学全入時代』の学生の読書率は、大人全体の読書率とさほどの差がないというだけの話だ。ネットやスマホの影響で読書率や読書時間が著しく減少しているという傾向は見られず、日本人は高校生以上になると『ふたりにひとりが本を読み、読書量は全体で平均すると月1~2冊、時間は1日30分程度』になる。ただし雑誌の読書量は子どもも大人も著しく減少している。しかし『本離れ』云々と世間で言う場合、イメージされているのは書籍離れのことだけだ」。
さらに、現在の中高生が本に求める「3大ニーズ」と、それに応える人気の本の「4つの型」が提示されているので、教育関係者や主版業界など中高生の読書傾向に関心のある人たちには、大いに参考になるでしょう。