季節の移ろいを切り取った写真と詩が奏でるハーモニー・・・【情熱的読書人間のないしょ話(1408)】
シジュウカラ、電線に整列しているムクドリ、オナガガモの雄、雌をカメラに収めました。早くも、クルメツツジが何輪か花を咲かせています。因みに、本日の歩数は10,362でした。
閑話休題、『いまここで』(谷口江里也著、未知谷)を読んで、嬉しくなってしまいました。というのは、私と同じ感性の持ち主に出会えたからです。
本書は、著者の自宅に隣接した自然公園で目についたものの写真と、著者自身の詩で構成されています。「公園は武蔵野の雑木林の風情が残る、ほどよく手の入った自然園で、2017年9月10日の麻、いつものようにいつもの公園の小径を歩いていた時、地面に落ちている木の葉が目に留まりました。美しいなと感じたのです。そしてふと、こうして目に入る何気ない身の回りの光景を写真に撮り、それにソネットのような短い詩を書き記して見ようと思い立ちました。私は家にカメラを取りに戻り、落ち葉の写真を撮り、その日から、毎日カメラをバッグに入れて、仕事場までの路行きで、なんとなく目に留まったものをカメラに収めて詩を書く習慣を始めました」。
9月18日は、木の切り株の脇から生え出てきた小さなひこばえの写真に、「まだ生きてる」という詩が添えられています。「まだ生きてる。人に植えられ 人に切られ それでもまだ生きてる」。
9月20日は、木漏れ陽の写真に、「木漏れ陽」という詩が組み合わされています。「森のなかの 木漏れ陽。木の葉からこぼれた陽の光が 私の足元で佇む」。
9月30日は、青空をバックに揺れるススキの穂波の写真です。「空の青と」の詩は、「空の青と 競い合おうとするかのような あるいは青とのダンスを楽しむかのような ススキの穂の輝き。 光を受けて風に揺らぐ。揺らいで青のなかで舞う。今日のこの日を待っていたかのような 白金色の輝き」と綴られています。
12月3日は、敷き詰められたような落ち葉に木漏れ陽が当たっている写真です。「土に還る前に」の詩は、「花だけが美しいのではない。新緑だけが美しいのではない。これもまた木々たちのもう一つの華」と詠われています。
1月22日の写真は、細かい枝先に至るまで雪が降り積もっています。「雪が降った」の詩の、「雪が降った。一夜明けてみれば あたり一面が雪」は、私にとっても心ときめく瞬間です。
5月6日の写真は、空に広がる雲が写っています。私も、しばしば雲の写真を撮ります。
6月24日の写真は、モグラが巣の外へ排出した土が、いくつも盛り上がっています。
私も、4年前から、毎日、ブログ「榎戸誠の情熱的読書のすすめ」(http://enokidoblog.net/)に、季節の移ろいの一瞬を捉えた写真と書評を掲載することを続けています。