富永仲基という驚くべき思想家が江戸時代に存在していたとは!・・・【情熱的読書人間のないしょ話(3111)】
マガモの雄(写真1、2)、雄と雌(写真3)、ヒドリガモの雄(写真4)、雄と雌(写真5)、オカヨシガモの雌(写真6)、オナガガモの雄(写真7)、ハシビロガモの雄とマガモの雄(写真8、右がハシビロガモ)、カルガモ(写真9)、ツツドリの幼鳥(写真10、11)をカメラに収めました。ジュウガツザクラ(写真12)が咲いています。トキワサンザシ(写真13)が実を付けています。因みに、本日の歩数は12,721でした。
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閑話休題、『加藤周一を読む――「理」の人にして「情」の人(増補改訂)』(鷲巣力著、平凡社ライブラリー)で、個人的に、とりわけ興味深いのは、●小林秀雄、●ハーバート・ノーマン、●富永仲基――を論じた件(くだり)です。
●小林秀雄
「この著作(「ゴットフリート・ベンと現代ドイツの『精神』」)の主たる目的は、ベンという知識人の批判にあったわけではない。ベンのナチス・ドイツにたいする静かなる肯定的態度を論述しながら、実は、小林秀雄の日本ファシズムにたいする静かなる肯定的態度を批判したかったのである。『小林秀雄』という語は一度も表れないが、小林秀雄にたいする批判こそが、この論考の主題である。そのことを岩波書店刊の同時代ライブラリー版の『追記』で加藤は明らかにする。<ベンに小林を、ドイツに日本を、重ねて読んでいただければ、幸である>とまで記している」。加藤の小林に対する激しい怒りが伝わってきます。
●ハーバート・ノーマン
「ノーマンのなかに『怒り』の心情を認めている。ノーマンには高い『理』と優しい『情』とが、背中合わせに結びついていることを見のがさなかった。それは加藤自身がもっているものであり、見のがすことはあり得なかったに違いない。加藤とノーマンは、加藤のフランス留学中にもパリで会っている」。外交官で自死したハーバート・ノーマンは『忘れられた思想家――安藤昌益のこと』の著者として知られています。
●富永仲基
「<富永仲基は江戸時代を通じてもっとも独創的な思想家の一人であった。その意味では同時代の安藤昌益に匹敵する。またその思想の内的斉合性と概念の厳密さにおいては、徂徠や宣長とも比較することができる>。仲基については、<偶像破壊者>と位置づけた。江戸時代の儒教、仏教、神道を真向うから批判した仲基に、<やみがたい批判精神をもって敢然と教権に反抗したヴォルテール>を見いだし、合理主義の精神を認めるのである」。恥ずかしながら、浅学の私は富永仲基という思想家を知らなかったが、加藤にここまで言われては、富永のことを調べずに済ますわけにはいきません。ヴォルテールにも興味が湧いてきました。