若者たちの科学的思考と、その驚くべき成果に脱帽・・・【情熱的読書人間のないしょ話(3192)】
ヒヨドリ(写真1)、シメ(写真2)、ホオジロの雌(写真3)、アオジの雄(写真4の手前、5)と雌(写真4の奥、6)、コゲラ(写真7)、ジョウビタキの雄(写真8)、メジロ(写真9、10)、ダイサギ(写真11の右)とカワウ(写真11の左、12)、双眼鏡で辛うじて確認できたカンムリカイツブリ(写真13)、ユリカモメ(写真14~16)をカメラに収めました。因みに、本日の歩数は15,759でした。
閑話休題、『13歳からのサイエンス――理系の時代に必要な力をどうつけるか』(緑慎也著、ポプラ新書)は、知的好奇心を掻き立てられる一冊です。「本書では、夢の卵を見つけ、育ててきた若き先駆者たちを紹介したい」。
●落ち葉に裏向きが多い理由を探ったファンタジー小説好きの高校生、●有名な数学の定理の拡張版を証明した不登校経験者、●小学校時代に曽祖父が新聞の字を拡大して読めるようにアプリを開発したプログラミング好きの高校生、●マイクロプラスチックによる海洋汚染問題を解決すべく、ゴミとして捨てられるおがくずで断熱材を高校時代に作った大学生、●科学部の仲間と装置を手作りし、火星の重力環境を再現して各種の科学賞を総なめした定時制高校出身の大学生、●高校時代に生物学の国際大会で優秀な成績を収め、大学でバイオインフォマティクスを学び、その知識を駆使して古生物を研究するとともにYou Tubeでゲーム実況する化石好きの大学院生、●麹菌が培養皿の中で輪を形作る謎に高校時代に挑み、深海好きが高じて、大学時代に有人潜水調査船「しんかい6500」に乗って深海探査を体験した後、コンサルタントに転じた会社員、●蚊に刺されやすい妹のために蚊に刺されにくい方法を探究し、ついにその答えにたどり着き、高校卒業後アメリカの名門校に進学した大学院生――のいずれもが、読み応え十分です。
巻末では、科学界の最前線で活躍する研究者――梶田隆章、鳥居啓子――が、学生時代や研究生活を振り返りつつ、科学教育のあり方について語っています。
●梶田隆章
「(『科学的に考える』とは)まず疑問を持ち、それについて考えるわけですが、ただ考えるだけでは足りません。その考えが正しいのか確かめるために観察をしたり、実験をしたりして、何らかの結果を得る。その結果とは別の言葉を使えば、データです。そのデータを先入観を持たずに解釈する。そういうプロセスが科学的に考えるということだと思います」。
●鳥居啓子
「仮説は却下するもの、つまり自分なりの仮説を立てたら、その仮説が正しくないことを証明するような実験や、仮説が成り立つ条件を絞りこむための対照実験を設定し、実験でその仮説が却下できないことを示せてはじめて仮説の正しさを検証できます。それが科学の作法です。実験や対照実験の組み立てには知識と経験が必要なので、先生や周囲の大人からのアドバイスがあるといいですね」。