榎戸誠の情熱的読書のすすめ -3つの読書論・ことばのオアシス・国語力常識クイズ(一問一答!)-

時代の制約に果敢に挑んだ勇気ある女性たちがいたことを、君は知っているか・・・【情熱的読書人間のないしょ話(3458)】

【読書の森 2024年9月27日号】 情熱的読書人間のないしょ話(3458)

2005年に新種に認定されたワタラセツリフネソウ(写真1~4)が咲いています。ワタラセツリフネソウにホシホウジャクが群がっています(写真2~4)。ニラでキタテハたちが吸蜜しています(写真5~9)。ヤマトシジミの雌(写真10)、イチモンジセセリ(写真11)、ハネナガイナゴと思われる個体(写真12、13)をカメラに収めました。

閑話休題、『「時代」を切り拓いた女性たち――国境を越えた14人の闘い』(原野城治著、花伝社)のおかげで、時代の制約に果敢に挑んだ勇気ある女性たちがいたことを知ることができました。

とりわけ印象に残ったのは、●亡命者庇護の「肝っ玉おっ母」相馬黒光、●苦界から這い上がった評論家・山田わか、●占領下の女性政策に深く関与した加藤シヅエ――の3人です。

●相馬黒光
新宿中村屋の女主人・相馬黒光(1876年生まれ)は夫とともに、英国から敵視されていたインドの独立運動家ラース・ビハーリー・ボースの亡命を助け庇護を続けました。相馬は義侠心や反骨心があって、そのくせ弱者への人一倍強い共感力を持つ「肝っ玉おっ母」のような存在だったのです。

●山田わか
山田わかは19世紀末に渡米し、騙されてシアトルで売春婦にされたが、帰国して母性保護運動家として活躍しました。平塚らいてうと市川房枝を結びつけたのは山田でした。初対面時の山田の印象を、平塚は「善良な生地丸出しという感じの不思議な魅力を覚えた」と記しています。

●加藤シヅエ
敗戦直後、連合国軍最高司令官総司令部(GHQ)の私的顧問に抜擢された加藤シヅエは、「民主主義国家・日本を作るなら婦人参政権を与えてくれないと意味がない」と主張しました。また、マーガレット・ヒギンズ・サンガーの「女の体は女が決める。少なく生んで大事に育てる」という産児制限運動に共鳴して、その普及に邁進しました。