榎戸誠の情熱的読書のすすめ -3つの読書論・ことばのオアシス・国語力常識クイズ(一問一答!)-

重ね地図という斬新な手法を取り入れた東京歴史散歩のガイドブック・・・【情熱的読書人間のないしょ話(3460)】

【読書の森 2024年9月29日号】 情熱的読書人間のないしょ話(3460)

タカ(サシバが主)の渡り観察会に参加しました。残念ながら、ハチクマ(写真1)1羽しか渡りませんでした。もう一つ残念なのは、今日は軒並み不鮮明な写真しか撮れなかったことです。トビ(写真2、3)、ダイサギ(写真4)、アオサギ(写真5)、モズの雄(写真6)、雌(写真7)をカメラに収めました。写真8のサシバ(写真8)は、私たちの観察場所から300m離れた観察場所で観察仲間が撮影したものです。観察仲間の女性たちから、私の野鳥観察力ではなく、購入したばかりの青い折り畳み椅子(写真13)が褒められました(笑)。コウホネ(写真15)が咲いています。因みに、本日の歩数は11,089でした。

閑話休題、『重ね地図でたどる東京歴史散歩』(谷川彰英監修、宝島社)の最大の特色は、江戸時代の地図と半透明な現在の地図を重ねて見ることができる斬新な手法が取り入れられていることです。

歩くコースが具体的に示され、所要時間も付記されているので、実際に歩いてみようという読者には助かります。

東京の荻窪で育ち、東京の日本橋、飯田橋で仕事をしてきた私にとって、とりわけ興味深いのは、下記の9コースです。

●日本橋コース(日本橋→道三橋跡→日本橋魚河岸跡→日本橋三越本店。所要時間:約1時間)
今は金融街としてのイメージが強いが、江戸時代は水路が巡り、さまざまな魚介類や商品が揃う「江戸の商業地」でした。

●内藤新宿コース(新宿駅→新宿御苑→太宗寺→成覚寺。所要時間:約3時間)
今はJRと鉄道会社の駅が集まり、超高層ビルが聳えるが、かつては江戸から西へ向かう「『新』しい『宿』場」でした。

●丸の内コース(東京駅丸の内北口→三菱一号館美術館→丸の内ビルディング。所要時間:約40分)
今は高層ビルが立ち並び、東京の中でも先進的なオフィス街として知られるが、もともとは浅瀬で、江戸時代に埋め立てが進みました。

●銀座コース(銀座発祥の地→煉瓦銀座之碑・ガス灯→歌舞伎座タワー →カフェーパウリスタ→新橋駅。所要時間:約2時間)
今は高級ブランドショップが軒を連ねる繁華街の代名詞ともいえるが、もとは商人たちの街で、一気に花開いたのは文明開化の明治期です。

●御茶ノ水・秋葉原コース(御茶ノ水駅→大久保彦左衛門屋敷跡→湯島聖堂→神田明神→秋葉原ラジオ会館。所要時間:約2時間)
江戸時代に流路の付け替えが行われた人工河川・神田川の周りに広がる御茶ノ水と秋葉原周辺は地形と用途、それぞれが大きく変化しました。

●上野コース(上野駅→東京国立博物館→上野東照宮→清水観音堂→不忍池→旧岩崎邸。所要時間:約4時間)
徳川将軍家の菩提寺だった寛永寺の広大な境内は、江戸時代から花見の名所だったが、明治期に公園へと姿を変え、博物館や動物園が建つ地は「近代」のショーウィンドウになりました。

●谷根千コース(日暮里駅→諏方神社→富士見坂→谷中ぎんざ商店街→へび道→根津神社→旧吉田屋酒店→谷中霊園。所要時間:約3.5時間)
昭和レトロな街並みが随所に残る谷根千は、庶民の生活と芸術、住宅地と寺町が絶妙な塩梅で混ざり合っています。名だたる文豪たちにも愛されました。

●神楽坂コース(牛込見附跡→志満金→善國寺→赤城神社。所要時間:約2.5時間)
江戸城外堀にほど近い神楽坂は江戸城防備の要衝として整備され、昭和期には大規模な花街として栄えました。メインストリートを中心に多くの横丁が延びるのも特徴的です。

●明治神宮・外苑コース(JR原宿駅→明治神宮→太田記念美術館→東郷神社→国立競技場→明治記念館。所要時間:約3時間)
都心の一等地にありながら緑豊かな明治神宮と外苑は、歴史ある数々の文化施設やスポーツ競技場が築かれ、都民に親しまれてきたが、2度のオリンピックを経て、今、大きく変化しつつあります。

監修者・谷川彰英が現在、筋萎縮性側索硬化症(ALS)闘病中ということに驚かされました。