傑出した指揮者・徳川家康に学ぼう・・・【情熱的読書人間のないしょ話(3502)】
【読書の森 2024年11月10日号】
情熱的読書人間のないしょ話(3502)
ヒドリガモの雄(写真1、2)、雄の若鳥(写真3)、オオバン(写真4)、コサギ(写真5)、ツチイナゴ(写真6)、ハラビロカマキリ(写真7)をカメラに収めました。カキ(写真8)が実を付けています。
閑話休題、『新説 徳川家康――後半生の戦略と決断』(野村玄著、光文社新書)の主張を短くまとめると、政治・経済・軍事・歴史に確固たる識見を有し、それらに基づく深い洞察力を備えた徳川家康という傑出した指揮者に学ぼうということになります。管見の限り、近年、これほどの家康絶賛本には出会ったことがありません。
「かつて(豊臣)秀吉が<内府(家康)久々りちき(律儀)なる儀>と評したように、家康は年寄衆・奉行衆との間での起請文を破ることがあったものの、秀吉の遺言は忠実に守り、家康にとっての重要な政治的行動の時期は全て秀吉の遺言と照らし合わせて決定されていた。そのような姿勢が諸大名からの信望をつなぎとめ、また決定的な失敗と批判を回避してきた要因であろう」。この著者の言葉を泉下の家康が聞いたら、にやっとしたことでしょう。
著者は、困難な状況の中、新たな幕府の基礎を築いた家康の洞察力・思考力・判断力・節制力を高く評価し、一次史料中心に解説しています。
●秀吉の遺言を利・活用した。
●源頼朝の先例を範・鑑とした。
●情勢の変化に柔軟に対応した。
●豊臣秀次事件など秀吉の失策から教訓を得た。
正直に言うと、天の邪鬼の私は、著者が言うほど家康が好人物だったとは考えておりません。