高齢者介護にかかわる人の必読書・・・【情熱的読書人間のないしょ話(3570)】
野鳥観察会に参加し、36種を観察することができました。カイツブリ(写真1)、コガモの雄と雌(写真2)、ヒドリガモの雄と雌(写真3)、ゴイサギ(写真4)、ゴイサギの幼鳥(写真5、6)、コサギ(写真7)、アオサギ(写真8)、マンネンタケ(別名:レイシ。写真9)をカメラに収めました。
閑話休題、『高齢者のからだ図鑑――イラストでわかる』(kei・長島佳歩著、稲川利光医学監修、メディカル・ケア・サービス)のおかげで、高齢者介護の全体像を俯瞰することができました。
高齢者の「なぜ」がわかると、本当に大切なことが見えてきます。▶高齢者との「見えない壁」を乗り越えられる。▶高齢者の理解が深まり、寄り添う力が身につく。――本書は、高齢者ケアにかかわる、すべての人の必読書と言っても過言ではありません。
高齢者のからだのこと、高齢者の動作のこと、高齢者に多い病気や薬のこと、高齢者の認知症と心のこと、高齢者の介護サービスや多職種連携のこと――が、イラストでわかりやすく説明されています。
例えば、このような質疑応答が行われています。
▶高齢者が骨折しやすいのはなぜ?
▶高齢者の関節が痛むのはなぜ?
▶円背(えんぱい)になる人とならない人がいるのはなぜ?(円背は猫背のこと)
▶高齢者の筋肉が衰えやすいのはなぜ?
▶高齢者が頑固になったり意欲が低下するのはなぜ?
▶高齢者がもの忘れや言葉が出にくくなるのはなぜ?
▶高齢者の反応が鈍くなるのはなぜ?
▶高齢者が汗をかきにくく、熱中症になりやすいのはなぜ?
▶高齢者が息切れするのはなぜ?
▶高齢者が高血圧になるのはなぜ?
▶高齢者が食欲がなくなるのはなぜ?
▶高齢者が便秘・下痢をしやすくなるのはなぜ?
▶高齢者がインフルエンザ・肺炎にかかりやすく、ワクチンが効きにくいのはなぜ?
▶高齢者ががんになる確率が高まるのはなぜ?
▶高齢者が頻尿・残尿感・尿失禁に悩まされるのはなぜ?
▶高齢者が脱水になりやすいのはなぜ?
高齢者の健康にかかわる3つのワードについては、このように説明されています。
▶サルコペニア=筋肉量の低下
▶ロコモティブシンドローム=運動器の障害による移動機能低下
▶フレイル=心身が弱った状態
「もの忘れ」と「認知症」の違いは、記憶にかかわる海馬が関係しています。
▶もの忘れ=加齢に伴い、海馬の働きが衰えること。情報をキャッチする量が少なくなり、一度脳内に収納した記憶を引き出すのに時間がかかるようになる。
▶認知症=海馬が壊れて働かなくなることで起こる記憶障害。情報をキャッチしたり、脳内に記憶として留めておいたりすることができなくなる。そもそも記憶できないため、当然、思い出すこともできない。
高齢者介護に携わる人だけでなく、私のような高齢者自身にとっても学びの多い一冊です。