榎戸誠の情熱的読書のすすめ -3つの読書論・ことばのオアシス・国語力常識クイズ(一問一答!)-

君は、占領期日本で行われたGHQによる検閲と公職追放を知っているか・・・【情熱的読書人間のないしょ話(3677)】

【読書の森 2025年4月26日号】 情熱的読書人間のないしょ話(3677)

植物観察会に参加しました。スイバの雄花(写真1)、雌花(写真2)、カラスムギとイヌムギ(写真3、奥がカラスムギ)、ノビル(写真4)、オオジシバリ(写真5)、カントウタンポポ(写真6)、アイノコセイヨウタンポポ(写真7)、コヒルガオ(写真8)、オオアマナ(写真9)、カキドオシ(写真10)、アメリカスミレサイシン(写真11)、コメツブツメクサ(写真12)、特定外来生物のオオフサモ(写真13、14)を観察することができました。

閑話休題、『占領期日本 三つの闇――検閲・公職追放・疑獄』(斉藤勝久著、幻冬舎新書)のおかげで、占領期日本で実施されたGHQ(連合国軍最高司令官総司令部)による検閲と公職追放、この時期に起こった昭電疑獄と占領終了後に発覚した造船疑獄について、理解を深めることができました。

GHQによる占領は、1945年夏の敗戦から1952年まで約7年間に及びました。

●検閲
GHQは、郵便や新聞、放送などに検閲を行い、得た情報を占領政策に利用しました。日本人の本音を盗み見ていたのです。戦前に内務省が思想統制のために行っていた検閲がなくなり、言論の自由が確立されたと思っていたのに、何とGHQは新憲法下でも検閲を続けていたのです。検閲はGHQの秘密機関が行っていたので、ほとんどの日本人は東京駅前の東京中央郵便局で大規模な検閲が実施されていることに気づきませんでした。

また、全てのメディアに対して、発行前の記事を提出させる事前検閲を実施し、反占領軍、反連合国と見做された記事はボツとなるか書き換えさせられました。

●公職追放
GHQにより、職業軍人のほかに、「好ましくない人物」と判断された政治家、経済人、言論人、地方の有力者ら、約21万人がパージ(追放)されました。この中には、総選挙で第一党となった自由党の鳩山一郎総裁や、GHQと最も激しく闘った石橋湛山蔵相も含まれていました。民主化を急ぐGHQが、日本の指導者層を入れ替えるために荒療治を続けたのです。

●昭電疑獄、造船疑獄
1948年に発覚した昭電疑獄は、食糧生産に欠かせない化学肥料を作っていた昭和電工を舞台にした政界汚職事件です。この疑獄のため、芦田均内閣は発足7カ月で総辞職となりました。

占領は終わっていたが、1954年に発覚した政界汚職事件の造船疑獄も取り上げられています。疑惑の中心人物は、吉田茂首相のいわゆる「吉田学校」の門下生・佐藤栄作幹事長だったが、首相の命を受けた犬養健法相による指揮権発動で逮捕を免れました。