榎戸誠の情熱的読書のすすめ -3つの読書論・ことばのオアシス・国語力常識クイズ(一問一答!)-

本書を読んで、翻訳家を目指さなくてよかったと、つくづく思いました・・・【情熱的読書人間のないしょ話(3682)】

【読書クラブ 本好きですか? 2025年4月30日号】 情熱的読書人間のないしょ話(3682)

カラタネオガタマ(写真1)、モッコウバラ(写真2、3)、ボタン(写真4、5)、ダッチアイリス(写真6~8)、ジャーマンアイリス(写真9)、イリス・アルビカンス(写真10)、セイヨウオダマキ(写真12、13)、ムラサキツユクサ(写真14)、ドイツスズラン(写真15、16)が咲いています。我が家の庭師(女房)から、ガザニア(写真16)が咲き出したわよ、との報告あり。

閑話休題、翻訳家・エッセイストで妻で二人の息子の母である村井理子の率直な日記『ある翻訳家の取り憑かれた日常』(村井理子著、大和書房)を読み終わって、売れっ子翻訳家の大変さがよく分かりました。著者が述懐しているように、翻訳とは、まさに重労働ですね!

●翻訳においては「なんでもないような単語が、一番厄介だ」と常に感じている。
●午後、週明けにテストだという次男と一緒に生物の教科書を読む。林冠、林床というワードが出て、ジャングル本に出ていたなと思い出す。何をしても翻訳から離れられない。
●翻訳作業は、できれば毎日やったほうがいい。一行でもいいから、毎日書いたほうがいい。なぜかというと、一旦休むと再開に時間がかかるからだ。
●ようやく稼いだと思ったら、右から左へ。くそ。迷惑ばかりだ! でも見てろ、10倍は稼いでやると、暗い目をしながらがんばって、今日は翻訳が進んだ。災い転じて福。
●今現在担当している翻訳本は、A社で二冊、B社で一冊、そして大和書房の『The Real-Life Murder Clubs』。同時進行というよりは、日替わりで訳している。すべて全力。当然です。
●新規連載第一回目の締め切りを余裕で3日超え。村井理子、紛れもないピンチだ。しかしピンチはチャンスだ。俺ならできる。
●夜遅くになって焦って翻訳作業再開。
●またもやダウン(メンタル)。何も手につかなかった。季節の変わり目は危険ですな。
●今訳している本が難しく、頭が沸騰しそうだ。
●果てしなく続く翻訳作業。
●歯を食いしばるようにして翻訳。

多忙にも拘わらず、村井理子はよく本を読んでいることが分かります。『黒い海 船は突然、深海へ消えた』、『完全ドキュメント 北九州監禁連続殺人事件』、『優雅な生活が最高の復讐である』など、私と好きな本が一致しているので嬉しくなりました。

この日記を読んだ夫から内容にダメだしされるという辛い経験も綴られています。

翻訳家を目指さなくてよかったと、つくづく思いました。