大繁栄していたリョコウバトやフクロオオカミたちが絶滅したのはなぜか・・・【情熱的読書人間のないしょ話(3730)】
撮影助手(女房)にハナショウブ(写真1~5)を見たいと言われ、東京・文京の小石川後楽園へ。ムラサキシキブ(写真6)、クチナシ(写真7。8)が咲いています。ショウジョウトンボの雄(写真9)、カワセミの雌(写真10)、マガモの雄の若鳥(写真11)、カルガモの親子(写真12)をカメラに収めました。因みに、本日の歩数は11,658でした。
閑話休題、『おしゃべりな絶滅動物たち――会えそうで会えなかった生きものと語る未来』(川端裕人著、岩波書店)で、個人的に、とりわけ興味深いのは、リョコウバトとフクロオオカミ(タスマニアタイガー)の絶滅例です。
●リョコウバト
▶北米で数十億羽もの個体数を誇り、恐らくは同時代の鳥類で最も繁栄していたリョコウバトが、僅か数十年の集中的な狩猟の末に絶滅したのです。
▶ハトとしては大柄で、色も見栄えがするリョコウバトが巨大な群れを成して、アメリカの中西部から東海岸を移動する光景は、「生きた激流」と表現されました。
▶1914年に飼育下の最後の1羽が死亡し、絶滅しました。
●フクロオオカミ
▶フクロオオカミは、オーストラリアにおける最大の肉食獣でした。
▶イヌやオオカミに似ているが、実はかけ離れたカンガルーやコアラの仲間の有袋類です。
▶1810年代から、「ヒツジを殺す」という悪評が立ち始め、州政府から駆除に対する奨励金が支払われるようになりました。フクロオオカミがヒツジを殺した事例はないのに、濡れ衣を着せられ、スケープゴートにされたのです。
▶1936年9月7日、最後の飼育下個体が死亡し、絶滅しました。
●「本書で対話を試みた『おしゃべりな絶滅動物』たちは、決して人類を糾弾したりはしない。しかし『きみたちはだいじょうぶか』『船の仲間たちはだいじょうぶか』と、常に問いかけてくる。『第6の大量絶滅』をどう受け止めて、考えていくのかも、まさにその文脈の中にあると考える」という著者の言葉が、胸に沁みます。
●本書は、絶滅動物を甦らせようという試みの現状報告、そのために乗り越えねばならない課題、そして、甦らせることの問題点――についても言及しています。