現在の私の気持ちにぴったりの漢詩に出会うことができました・・・【情熱的読書人間のないしょ話(3748)】
【読書の森 2025年6月28日号】
情熱的読書人間のないしょ話(3748)
あちこちで、さまざまな色合いのヘメロカリス(写真1~11)が咲いています。我が家の庭師(女房)から、壁にアキアカネの雄(写真12、13)が止まっているわよ、との報告あり。羽化がうまくいかなかった個体だが、撮影後、元気に飛んでいきました。
閑話休題、『一冊で読む漢詩400』(鷲野正明編著、笠間書院)には、先秦時代から近代に至るまでの漢詩400が収録されています。
●易水歌(荊軻)、●李延年歌(李延年)、●古詩(無名氏)、●歩出夏門行(魏・武帝 曹操)、●雑詩(陶淵明)、●子夜歌(無名氏)、●企喩歌(無名氏)、●山中與幽人對酌(李白)、●田家春望(高適)、●春怨(金昌緒)、●楓橋夜泊(張継)、●汴河曲(李益)、●尋隠者不遇(賈島)、●粤自居寒山(寒山)、●勸酒(于武陵)、●澄邁驛通潮閣(蘇軾)、●偶成(朱熹)、●田舎夜春(高啓)、●秋懐(高啓)、●山中示諸生(王守仁)、●馬嵬(袁枚)、●書懐(袁枚)――などを、じっくり味わうことができました。
初めて出会った「暁行」(晁沖之)は、現在の私の気持ちにぴったりです。<老去功名意轉疎 獨騎痩馬取長途 孤村到暁猶燈火 知有人家夜讀書>(老い去って 功名(こうめい) 意転(いうた)た疎なり 独(ひと)り痩馬(そうば)に騎して長途を取る 孤村(こそん)暁に到って猶(な)お火を灯す 知(し)んぬ 人家に夜読書する有るを)。老いて功名を思う心はますます薄くなった。独り痩せ馬にまたがって遠い路を行く。旅の途中、寂しげな村を通ると、夜明けまでなお灯火をつけている家がある。あれはきっと夜の間ずっと読書していたのだな。