大規模な火山噴火が大量絶滅を引き起こし、それが生物の進化を促した・・・【情熱的読書人間のないしょ話(3869)】
【読書の森 2025年10月26日号】
情熱的読書人間のないしょ話(3869)
キマダラカメムシが家の中まで入り込んでいるわよ、と女房の声。




閑話休題、『超巨大噴火と生命進化――地球規模の環境変動が大量絶滅と進化をもたらした』(佐野貴司著、講談社・ブルーバックス)の著者が読者に伝えたいことは、一口で言えば、「大規模な火山噴火が大量絶滅を引き起こし、それが生物の進化を促した」ということです。
著者は、「ビッグ・ファイヴ」と呼ばれる5回の大量絶滅――オルドビス紀末の2番目に大きな大量絶滅、デボン紀後期の海域のみでの大量絶滅、ペルム紀末の史上最大の大量絶滅、三畳紀末の大陸分裂に伴う大量絶滅、白亜紀末の恐竜の絶滅――について、詳しく解説しています。そして、新生代の超巨大噴火による地球温暖化、第四紀の約7万4000年前の人類史上最大の巨大噴火(新期トバ噴火)に言及しています。
ところが、大量絶滅の原因については、さまざまな仮説が存在し、数多くの議論が行われているのが実情です。超巨大火山の活動が環境変動の主原因あるいは原因の一つであったことは間違いないが、これ以外にも、巨大隕石の地球落下説、ガンマー線バースト仮説、大陸移動に伴う環境変動説などが提起されています。
