テレビプロデューサーを辞めた男が泊まったのは、町の人々が「殺人鬼の棲む宿」と謗る民宿だった・・・【情熱的読書人間のないしょ話(3909)】
【読書の森 2025年12月5日号】
情熱的読書人間のないしょ話(3909)
コサギとダイサギとカルガモ(写真1)、アオサギ(写真2)をカメラに収めました。サザンカ(写真3~9)、ツワブキ(写真10、11)が咲いています。ハボタン(写真12)の葉が季節を感じさせます。今宵は今年最後の満月(写真15)です。
















閑話休題、コミックス『黄昏流星群(76)――逸(はぐ)れ星の宿』(弘兼憲史著、小学館)に収められている「逸れ星の宿」には、改めて、人生というものを考えさせられました。
テレビプロデューサーを自ら辞めた独り身の坂口敏郎(52歳)は、当てのない旅先で、町の人々が「殺人鬼の棲む宿」と謗る民宿「かもめ」に宿を取ります。
かつてはブリ漁で栄えたが、今は寂れてしまった町の岬の突端で民宿を営んでいるのは、義父殺しの前科を持ち、たまたま泊まる客相手の売春で細々と食い繋いでいると噂されている米倉昌代(46歳)。
「この女となら溺れてもいいと思わせるほどの、めくるめくセックスだ」。
坂口は昌代から義父を殺すに至ってしまった理由、義母が死に至った原因を聞き出します。
いずれ東京に戻らねばならない男と、いろいろ事情があって土地から離れられない女。
その後の二人に何が起こったか・・・。
上質な短篇小説を読んだ気分にさせられる作品です。
