死が怖くてたまらない著者の対談集・・・【情熱的読書人間のないしょ話(3926)】
我が家の餌台に、引っ切り無しにメジロたちがやって来ます。
















閑話休題、『死ぬのが怖くてたまらない。だから、その正体が知りたかった。』(浦出美緒著、SB新書)は、死が怖くてたまらない著者・浦出美緒が、そのことについて5名の識者と行った対談集です。
●予習する人――医師・中山祐次郎
▶私は、死んだら無になり、何にもなくなると思っています。そして、それが怖くない。
●共に怖がる人――宗教社会学者・橋爪大三郎
▶自分が死んじゃえば自分がいなくなるんだから、誰がそれを観察しますか?
▶死んだらモノに還って、死んだ人の身体はその人ではなく、ただの物体だということになれば、放っておけばいいわけです。
▶この世界は、私がある限りで存在します。その世界から、たった一つの中心である「この私」が消えると、世界は存在しなくなります。
●希望の人――神経科学者・渡辺正峰
▶死んでしまったら、恐怖もへったくれもない。
▶死は絶対にやってきます。
●対峙する人――哲学者・森岡正博
▶自分の場合、宗教を信仰できない。超越者の存在を信じるということが、できないんです。
▶永遠の無については、哲学でよく議論されています。私がいない、無である世界というのは二つあります。一つは私が生まれる前の世界、もう一つは私が死んだあとの世界。私が無であることが永遠に続くこと自体が怖いんだったら、私が生まれる前に私がいない世界がほぼ永遠にずっと続いていたわけです。それが怖いのかって言うと別に怖くないんですよね。
▶死の恐怖は人間の存在にとって大した問題じゃないと、おそらくハイデガーは思っています。
●超越する人――作家・貴志祐介
▶今は、ほとんど死は怖くないんです。
▶死後の世界は100%ないと考えています。
私にも死が怖くてたまらない時代があったが、古代ギリシャの哲学者・エピクロスの「私が存在する時には、死は存在せず、死が存在する時には、私はもはや存在しない」という言葉を知った時、私は長年悩まされてきた死の恐怖から解放されました。
