もしもこの家が人手に渡ったら、お父さんの過去の罪が暴かれることになる!・・・【情熱的読書人間のないしょ話(3931)】
【読書の森 2025年12月25日号】
情熱的読書人間のないしょ話(3931)
帰宅した途端、撮影助手(女房)から、遂に、シジュウカラが3羽、やって来たわよ! 落花生だけでなく、リンゴも啄んでいたわよ! と弾んだ声で報告あり。餌台を新調して6日目にメジロはやって来たのに、シジュウカラはなかなか姿を見せなかったのです。今日は餌台を新調してから14日目です。明日からは、シジュウカラもメジロもどんどんやって来ることでしょう。写真は、撮影助手がパッチワーク中に慌ててスマホで撮影したもの。





閑話休題、推理短篇集『罪の棲家』(矢樹純著、朝日文庫)に収められている『罪の棲家』は、財産の多寡に拘わらず、相続争いの渦中にある人、相続争いを経験した人には身につまされる物語です。
父の遺品整理に集まった常盤家の三姉妹――実家に同居して父母を看取った長女・智代(59歳)、性格が似ているだけに衝突しがちな姉と妹の仲裁役を務めることの多い次女の「私」由香(55歳)、生意気な三女・美紀(53歳)。何の予告もなく不動産屋の営業担当者を伴ってきた美紀が、その場で、突如、実家の売却を要求したから、さあ大変!
三姉妹の中では一番余裕のある暮らしをしているはずの美紀が、こういうことを言い出した背景が明らかになります。どうも、投資マンション詐欺に引っ掛かり、至急、金が必要になったようです。
「『もしもこの家が人手に渡ったら、お父さんの過去の罪が暴かれることになる』。涙声で告げた智代が、両手で顔を覆った。『私に、ずっとここに住んで守ってほしいって、お父さんに頼まれたの。だからお願い。美紀を説得して』」。
父の罪とは何なのか――。
意外な結末に脱帽!
