榎戸誠の情熱的読書のすすめ -3つの読書論・ことばのオアシス・国語力常識クイズ(一問一答!)-

女性社員のユーモアと本音が織り込まれた川柳集・・・【山椒読書論(310)】

【amazon 『女子会川柳』 カスタマーレビュー 2013年11月16日】 山椒読書論(310)

女子会川柳――「調子どう?」あんたが聞くまで絶好調』(シティリビング編集部・ポプラ社編集部編、ポプラ社)には、女性社員のユーモアと本音が織り込まれている。

16年間の「シティOL川柳大賞」入選作の中から選ばれた88句が収めれている。「十七文字のリアルなつぶやき――今も昔も、オフィスの登場人物は『上司、同僚、部下』。ここでの人間関係や、仕事をめぐる日々のエピソード、はたまた恋愛・結婚観などをユニークに、ときに赤裸々に、ときにしみじみと綴ったのが『女子会川柳』です」。「仕事、お金、健康といった将来への不安を感じながらも、毎日をなるべく充実させようと、プライベートは自分磨きに励む女子たち。川柳には、そんな等身大の姿が浮かび上がります」。

――やっぱりね 残りものには 訳がある

――5時までは 体の調子 いまひとつ

――あのときは いなかったもの あなたしか

――病欠の 電話済んだら 元気が出

――今はもう そっとしといて 誕生日

――ストレスは 仕事じゃないの あなたなの

――たくさんの 勝負服あり 出番なし

――女子会の ネタは恋より 財テク論

――逆らわず ただうなずいて 従わず

――「能力だ」 そういう上司は 美人好き

――ああならない 自信はあるが 自覚なし

――もう会わぬ 番号消して 待つ電話

――派遣社員 有能過ぎると 立場無し

――どうせなら 電車止まれと 雪降る日

――「至急でね」 頼んだおまえが なぜ帰る

――披露宴 私は必死に 拾う縁

――お局の 電撃婚に 希望わく

――残業の メンバー同じ イブの夜

――年の差婚 部下がダンナに なる時代

どの句にも、癒やされるなあ。