苦しい状況を変えるのはそう難しくない、実は簡単なことなのだ・・・【続・リーダーのための読書論(43)】
先輩に救われた
三共(現・第一三共)の開業医担当MRとして支店内でトップ・クラスの実績を上げていた私を、会社を辞めたくなるほどのスランプが、突然、襲ってきた。というのは、転勤した先で、病院担当MRとして大学病院と基幹病院を担当することになった途端、実績低迷に見舞われてしまったからだ。
これではいけないと悶々としていた私は、支店会議の休憩時間に、大学担当のエースと目されているK先輩から声をかけられた。「どうした? 元気がないじゃないか。いつもの榎戸君らしくないぞ」。私は、思わず、慣れない病院担当の難しさを訴えていた。すると、「そんなの簡単だよ。病院には先行投資だよ」とのアドヴァイス。早速、この教えを実行してみたところ、状況が一変。継続して好成績を収めることができるようになった。ちょっとしたヒントが苦境を救ってくれることを知ったのである。
ヒントの宝庫
『今は苦しくても、きっとうまくいく』(横山信治著、PHP研究所)には、44のヒントが詰まっている。
●同じ事象に遭遇しても、自分自身の心のありようで、その後の人生が大きく変わる。
●平常心とは、常に冷静を保っていることではない。いかに早く冷静になれるかが大切である。
●比べる相手は、他人ではなく、過去の自分。
●悩みや心配事に押しつぶされそうになったら、パニックに陥らず、一度整理してみよう。
●自分でコントロールできない「結果」に一喜一憂するのはやめよう。そんなことをしていたら、ストレスが溜まるだけ。「自分の力でコントロールできないことを、クヨクヨ考えても仕方がない。『まあ、いいか!』とあきらめればいいのです。あきらめは敗北ではありません。この世の中を上手く生き延びる、最高の手段です」。
●「○○したいな~」ではダメ。「○○しよう」でもダメ。「○○する」と誓い、行動に移せば本物。
●「幸せ」を恥ずかしいと思う気持ちを捨てよう。「幸せ」への心のブレーキをはずそう。「幸せ」はあなたの中にある。
●幸せは、何か良いことが訪れるからではなく、今現在を幸せな気持ちで過ごすことで生まれる。
●大切な人には、言葉に出して、感謝の気持ちを伝えよう。
●検討は慎重に! 決断は大胆に! 「私の経験上、後悔しない決断をするためには、決断する前は、慎重に調べて熟慮し、決断したあとは腹をくくって、前だけを見て行動する、というのが良いようです」。
●どんな悩みも「時間」が必ず解決してくれる。「時間」で解決できないものは何もない。
●「許し」――それは最高のコミュニケーション。
●運の良い人は決断が早い。決断する基準を普段から考えているから。
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