榎戸誠の情熱的読書のすすめ -3つの読書論・ことばのオアシス・国語力常識クイズ(一問一答!)-

逆境が心を成長させる・・・【続・リーダーのための読書論(86)】

【ほぼ日刊メディカルビジネス情報源 2019年5月27日号】 続・リーダーのための読書論(86)

先輩からのエール

仕事と心の流儀』(丹羽宇一郎著、講談社現代新書)は、先輩が働いている若い人たちに送るエール集である。「新人の頃は小さな仕事しか任せてもらえず不満を感じたり、失敗をして落ち込んだりすることもあるでしょう。『こんな会社、辞めてやる』と思うこともあるかもしれません。でも、そこで投げ出さず、『負けてたまるか!』と歯を食いしばって頑張っているうちに、少しずつ大きな仕事を任されるようになります。それをやり遂げたときに味わう喜びはことのほか大きなものですし、分かち合う仲間が多ければ多いほど、さらに喜びは大きくなります」。

逆境と成長

●絶体絶命の状況でも努力を続けることで、人は鍛えられ、強くなっていく。
●勝者と敗者を分けるのは、心の強さと平常心。
●常識力と理解力があれば、理不尽な命令にも冷静に耐えられる。
●失敗のない優等生ほど怖いものはない。小さな失敗をたくさんせよ。
●悲観的に考えて、楽観的に行動する。
●問題が多いことを喜べ。それは懸命に生きている証だ。

仕事と人生

●社長になっても、会社を辞めればただのオジサン。
●金銭的報酬を追いかけて仕事をする人は、サラリーマンのプロになれない。
●夢を持ちたいなら、自分の頭で考え、自分で行動しろ。
●夢や目標は働きながらつくっていけばいい。
●能力や適性に大差はない。開花するかどうかは、「どれだけ努力したか」の違いだけだ。
●「○○してくれない症候群」から抜け出せ。
●情熱が人を動かし、お金も動かす。

上司と部下

●「死なばもろとも」と思える上司に巡り合えるか。
●部下の「生活履歴」を頭に入れよ。
●人間同士がきちっと向き合えるのは、最大で30人。
●部下を育てる三原則は、「認めて」「任せて」「要所で褒める」。
●きみの能力は自分で評価するものじゃない。他人が決めるんだ。
●部下の大半にやる気がないのは上司の責任。
●叱るときにはTPOを考える。
●「飲み二ケーション」は、やっぱり大事。
●嫌な上司は反面教師にせよ。
●リーダーは自分の利益より組織が先。

組織と個人

●空気を読んでも顔色は読むな。
●人は3年権力を握ればバカになる。

努力とチャンス

●努力の差は「2:6:2の法則」に表れる。
●通勤電車を読書ルームにする。
●読書は目だけでなく体全体を使う。
●誰にだってチャンスはある。でも、勉強しないとチャンスは掴めない。
●利益の根源はどこにあるかを常に考えよ。
●守りと攻めを同時にやれ。
●AIは壮大なる前例主義である。

若い時に本書に出会っていたら、私の人生もかなり違っていたことだろう。