榎戸誠の情熱的読書のすすめ -3つの読書論・ことばのオアシス・国語力常識クイズ(一問一答!)-

大名も乞食も同じ花見かな・・・【情熱的読書人間のないしょ話(3227)】

【僕らが本好き読書隊 2024年2月16日号】 情熱的読書人間のないしょ話(3227)

年上の友人・見取功さんと井手口盛哉さんの「油彩と写真の二人展2」は力作揃いです。その後、東京駅の真ん前のイタリア料理店で三共時代の仲間たちと会食し、話に花が咲きました。因みに、本日の歩数は11,837でした。

閑話休題、『落語と川柳』(長井好弘著、白水社)は、落語と川柳の関係に光を当てています。

印象に残った川柳がたくさんあります。

●町内で知らぬは亭主ばかりなり

●新婚は夜することを昼にする

●国定が笠傾ける空っ風

●傾城に可愛がられて運の尽き

●碁仇は憎さも憎し懐かしし

●講釈師見てきたような嘘をつき

●冬は義士夏はお化けで飯を食い

●噺家は世上のあらで飯を食い

●先生と呼ばれるほどの馬鹿でなし

●幽霊の正体見たり枯尾花

●道楽の理に落ちたのが茶の湯なり

●ひろびろと心せわしき野ぐそかな

●八寸を四寸ずつ食う仲のよさ

●藪医者はひとり生かすとふたり死に

●大名も乞食も同じ花見かな

●居候三杯目にはそっと出し

暫し世の憂さを忘れさせてくれる一冊です。