よく見ると、およそ哲学というものは、常識をわかりにくいことばで表わしたものに過ぎない。・・・【ことばのオアシス(121)】
【薬事日報 2013年7月19日号】
ことばのオアシス(121)
よく見ると、およそ哲学というものは、常識をわかりにくいことばで表わしたものに過ぎない。
――ヨハン・ヴォルフガング・フォン・ゲーテ
ヨハン・ヴォルフガング・フォン・ゲーテは、偉大な作品だけでなく、多数の格言や警句を書き遺している。
上掲は、彼の『格言と反省』に収録されているフランスの諺である。「人は少ししか知らぬ場合にのみ、知っているなどと言えるのです。多く知るにつれ、次第に疑いが生じて来るものです」(親友・ツェルターへの手紙の一節)、「愚か者と賢い人は同様に害がない。半分愚かな者と半分賢い者とだけが、最も危険である」(『親和力』の一節)などからも分かるように、ゲーテ一流の皮肉が効いている。
上記のものを含め、ゲーテの格言・警句を幅広く知るには、『ゲーテ格言集』(高橋健二編訳、新潮文庫)が便利。
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