小さな女の子の特別な一夜・・・【山椒読書論(324)】
【amazon 『おかしのくにのバレリーナ』 カスタマーレビュー 2013年12月5日】
山椒読書論(324)
絵本の『おかしのくにのバレリーナ』(犬飼由美恵文、まるやまあやこ絵、教育画劇)には、ヒロインである小さな女の子にとって特別な一夜が描かれている。
「おんがくが はじまって まくが あいたわ どきどきしちゃう」。
「こんぺいとうの ようせいと おうじさま ふたりの おどりが ぴったりよ」。妖精と王子様の踊りのように、犬飼由美恵の文とまるやまあやこの絵もぴったり息の合ったところを見せている。
「わたしも バレリーナに なりたい トゥシューズを はいて くるくる まわるの」。
「こんやは とくべつな よる すこし おそくまで おきていて みんなで おかしパーティよ きょうのこと わすれないわ」。
「わたしも いつか バレリーナに なって ぶたいに たつの」。
「ゆめのなか みたいに すてきに おどる」。
女の子が初めて見た本物のバレエ「くるみ割り人形」。華やかな舞台、お菓子の妖精たち、・・・。女の子は、自分もいつかバレリーナになって、あんなふうに踊りたいと、小さな胸をときめかす。誰にも、特別な一夜がある。心に刻み込まれた夢がある。
この絵本は、子供だけでなく、大人の胸も、ぽっと温かくしてくれる。女の子の心の弾みが、微笑ましく伝わってくる。