原発推進派にとっても、脱原発派にとっても必読の書・・・【山椒読書論(325)】
【amazon 『原発の倫理学』 カスタマーレビュー 2013年12月5日】
山椒読書論(325)
私は、元・通産官僚の古賀茂明の生き方に好感を抱いている。その古賀の『原発の倫理学』(古賀茂明著、講談社)には、原発推進派の荒唐無稽な言動が克明に記されている。
二人の元・首相――小泉純一郎と細川護熙――が、期せずして脱原発を訴え始めている。古賀は、これを「人の生き方の問題」「倫理の問題」と捉えている。
脱原発を小泉や細川に任せ切りにしてはいけない。
古賀が願っているのは、大きな哲学、「脱原発の倫理観」が国民に明確に提示され、国民的大議論が巻き起こることだ。何と言っても、原発推進か、脱原発かは、我々国民一人ひとりの運命、我々の子孫の運命を左右する最重要問題なのだから。
本書で原発を巡る驚くべき事実を知っても、依然として、原発推進に与する人がいるのだろうか。