榎戸誠の情熱的読書のすすめ -3つの読書論・ことばのオアシス・国語力常識クイズ(一問一答!)-

真の成功とは、ラットレースから抜け出して、心の平静のために生きること・・・【山椒読書論(814)】

【読書の森 2024年2月21日号】 山椒読書論(814)

人生で読んでおいた方がいいビジネス書75冊――最短で成功するための読書ガイド』(土井英司著、エムディエヌコーポレーション)で取り上げられているビジネス書の中の既読のものでも、いろいろと気づきが得られた。

例えば、『7つの習慣』(スティーブン・R・コヴィー、ジェームズ・スキナー著)の最大のポイントは、大切なものに「フォーカス」せよということだと、読書の達人・土井英司は喝破している。

人を動かす』(デール・カーネギー著)の「人を動かす三原則」は「①盗人にも五分の理を認める、②重要感を持たせる、③人の立場に身を置く」と、非常にシンプルだ。

ビジョナリーカンパニー(2』(ジム・コリンズ著)は、種をまき続ける情熱が飛躍と持続のカギだと強調しているというのである。

これは読まねばと思う本が4冊見つかった。

スキルを身につけるためのマインドを説いた『達人のサイエンス』(ジョージ・レナード著)の最重要ポイントは、「学習は直線的ではなく階段状に進歩し、全然進歩していないと思っているうちに、急に上達の瞬間がやって来る」ということだというのである。私もこういう感覚を味わったことがある。

「すぐやる」人になりたければ、『なぜか、「仕事がうまくいく人」の習慣』(ケリー・グリーソン著)を読めとけしかけている。

偶然を味方につけるための本としては、『その幸運は偶然ではないんです!』(J・D・クランボルツ、A・S・レヴィン著)が挙げられている。

『サイコロジー・オブ・マネー』(モーガン・ハウセル著)は、こういうアドヴァイスをしているそうだ。「●『夜、安心して眠れること』を優先してお金の管理をすべし。●『十分』の感覚がなければ幸せは遠のく。古くから言われているように、幸福とは、『結果から期待値を最引いたもの』なのだから。●真の成功とは、ラットレースから抜け出して、心の平静のために生きること」。ラットレースから抜け出して、心の平静のために生きよ、とは、マネー本の域を超えて深みのある人生論となっているではないか。