描かれた子供たちの表情をいつまでも見ていたくなる不思議な画集・・・【情熱的読書人間のないしょ話(171)】
【amazon 『中島潔 いのちと風のものがたり』 カスタマーレビュー 2015年9月17日】
情熱的読書人間のないしょ話(171)
散策中に、いろいろなキノコを見つけました。私にはキノコの知識がなく、何という種類のキノコか分かりませんので、単にキノコと表現しておきます。
閑話休題、画集『中島潔 いのちと風のものがたり』(竹内清乃編、平凡社・別冊太陽)に登場する子供たちは、皆、この画家特有の表情をしています。
「里の実り」と題された絵は、真っ赤に熟した実をたくさん付けた柿の大木に登った小さな男の子たちのやんちゃぶりが生き生きと表現されています。どの子も思い思いに楽しんでいるのです。
「大根の詩」という絵は、積もった雪の原に藁の雪靴を履いた小さな女の子が一人で佇んでいます。大ぶりの何本もの大根がはみ出した袋を背負っています。この子はなんでこうしているのでしょう。
一方、「地獄心音図(こころねず)」は、極彩色のさまざまな地獄で苦しみ呻く人間たちも獄卒たちも漫画的に描かれています。
いつまでも見ていたくなる、本当に不思議な画集なのです。