妻に逃げられた64歳の作家と地味な57歳の家政婦の愛の物語・・・【情熱的読書人間のないしょ話(328)】
【amazon 『黄昏流星群(48)』 カスタマーレビュー 2016年3月22日】
情熱的読書人間のないしょ話(328)
散策中に、オランダ観音を見つけました。江戸時代、この辺りの流山や柏には幕府の軍馬放牧地が多数あり、このオランダ観音には当時移入された西洋馬が祀られているそうです。境内に、1本のスギが聳えています。その近くで、大輪のモクレンが咲いていました。因みに、本日の歩数は10,387でした。
閑話休題、コミックス『黄昏流星群(48)――天空の星花』(弘兼憲史著、小学館)に収められている「天空の星花」は、5年前に妻に逃げられた64歳の作家・岸和田健士と、その家にやって来た57歳の家政婦・戸部すず子との心温まる愛の物語です。「地味な感じの中年のオバはんがやってきた」。「戸部すず子は本当によく働いた。1週間後には、ゴミ屋敷はピカピカの家に変貌を遂げた。女房がいた時でも、こんなに片付いた家は見たことがなかった」。
「何だか『小さな幸せ』を感じる。妙な気持ちだ。これが『家庭の味』というものだろうか」。「彼女がいると、何故か心が和らぐ・・・。苛立ちや焦りといった感情から解放される」。
「結婚どころか恋愛をしたこともありません。母が亡くなったのはそれから20年後。私も40半ばを過ぎていました。私の青春は母親の介護とともに終わりました」。「今、こうやって先生のところで雇っていただけてとても幸せです。何だか、今が人生の中で一番気持ちが安定しているような気がします」。
花火が大好きだというすず子のために、岸和田がプレゼントしたのは・・・。
本物の恋とは何か、本当の幸せとは何か――をしみじみと考えさせられました。