榎戸誠の情熱的読書のすすめ -3つの読書論・ことばのオアシス・国語力常識クイズ(一問一答!)-

古今東西の178の失敗・事故・事件は、41種の原因に行き着く・・・【情熱的読書人間のないしょ話(460)】

【amazon 『失敗百選』 カスタマーレビュー 2016年7月24日】 情熱的読書人間のないしょ話(460)

ホタル観察会に参加しました。水田の上を飛び回るアブラコウモリ、イネの葉の上で点滅するヘイケボタルを観察することができましたが、残念ながら、どちらも写真に収めることはできませんでした。今シーズン初めて、ヒグラシの鳴き声を耳にしました。近くの自治会の納涼盆踊り祭りを梯子しました。因みに、本日の歩数は12,234でした。

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閑話休題、軍事やビジネスの失敗から学ぼうという趣旨の本は多くありますが、『失敗百選――41の原因から未来の失敗を予測する』(中尾政之著、森北出版)は、その科学性、徹底性、網羅性において他書とは一線を画しています。

著者は、タイタニック号の沈没、歌舞伎町雑居ビル火災、ニューヨーク世界貿易センタービル崩壊、チェルノブイリ原発の爆発、信楽高原鉄道の正面衝突、地下鉄サリン事件など、古今東西の失敗・事故・事件の178事例を徹底解剖し、全ての事例の原因が41種に分類できることを発見したのです。

「(著者が提唱する)『ナレッジマネジメントを会得した』『失敗百選を暗記した』『ハイテク装置を設置した』とすべてを実施しても、失敗は減らないこともある。すなわち最後に『使命感』という味付けが不可欠である。それがないと、真面目にやれと怒鳴りたくなるような事故が発生する」という著者の指摘が、心に沁みます。

本書は、失敗学の一つの極点を示しています。