不妊で悩むカップル向けの最適・最高・最強の最新ガイドブック・・・【情熱的読書人間のないしょ話(469)】
散策中に、今シーズン初めてツクツクボウシの鳴き声を耳にしました。水辺で、腹部の先端に団扇状の突起を持つウチワヤンマ、体全体の黒さと腹部の白さが対照的なコシアキトンボをカメラに収めることができました。真っ白なコイを見つけました。トウガンが実っています。イチジク、カキも実を付けています。因みに、本日の歩数は10,728でした。
閑話休題、不妊で悩んでいるカップル、少し妊娠しにくいと感じ始めたカップルに絶対の自信を持って薦められる本が出版されました。『不妊治療を考えたら読む本――科学でわかる「妊娠への近道」』(浅田義正・河合蘭著、講談社・ブルーバックス)がそれですが、推薦理由は3つあります。
第1は、長い不妊治療の実績があり、実際に好成績を上げている現役の不妊症専門医・浅田義正と、出産ジャーナリストの河合蘭が力を合わせているだけに、最新の医学知識、医療情報が整理され、しかも一般人にも理解し易い語り口で解説されていること。
第2は、それぞれの治療法の長所・短所を過不足なく示した上で、特定の治療法を強制するのではなく、どの治療法を選択するかは患者自身に委ねられていること。
第3は、妊娠に関わるさまざまなホルモン、不妊治療を始めるときに受ける主な検査、卵巣刺激法に使用される主要薬剤の使用目的、投与方法、商品名、一般名、薬効分類名、特徴などが一覧表にまとめられていること。
「基礎体温の計測は必須ではない」。
「精子の数は日によって10倍も差が出る」。
「1人目はとくに困らずに妊娠できていたカップルが、2人目を妊娠しようとして不妊に悩んでしまうことを、一般的に『2人目不妊』と言います」。
「(卵巣刺激療法のうちの)薬を使わない自然周期は妊娠率が低い」。
「一般不妊治療とは、『タイミング法』と『人工授精』を指す言葉です。・・・もっともシンプルな方法であるタイミング法から始めて、それで妊娠しなかったら、徐々に人工授精、体外受精と『ステップアップ』をしていくのが不妊治療の基本です」。
「タイミング法の次に検討され、タイミング法よりは少し妊娠率の上がる不妊治療は、人工授精(IUI)です」。
「人工授精で妊娠できなかったカップルが体外受精に進むと、初回の妊娠率がかなり高いという特徴があります。排卵した卵子のピックアップ障害や受精障害が妊娠を妨げていたカップルなら、体外受精、顕微授精はこれらの『特効薬』ですから、すぐに妊娠するというわけです」。「顕微授精(ICSI)も、体外受精(IVF)のバリエーションのひとつです」。
「(男性不妊や)卵管が詰まった人のためのものだった体外受精は、対象者をどんどん拡大してきました。今や体外受精は、不妊治療の代表選手となったのです。そのほか、原因はわからないけれど、なぜか人工授精までの方法では妊娠できない人たちも、体外受精の対象になります。この方たちは受精障害のために妊娠できていないことが多く、人の手で確実に受精させる顕微授精が非常に有効」。「(体外受精は)患者さんの負担はあらゆる意味で大きいのですが、それをも上回るメリットを感じてトライする人が増えているのは、これまで紹介してきた他の方法よりもずっと妊娠率が高いからです」。
「保険適用ではない治療については施設によって違いがありますが、だいたいの目安として、浅田のクリニック(浅田レディースクリニック)の場合は次の通りです。●最初の基本的な検査=血液検査、超音波検査、卵管造影検査の合計で4万~6万円くらいです。●タイミング法=1周期あたり1万~2万円。●人工授精=1周期あたり2万~3万円。●体外受精=20万円台前半~80万円(受精卵の凍結も含む)。採れる卵子の数によって大きな差が出ます。これとは別に、卵巣刺激に使う薬代が2万~30万円かかります。●胚移植=1周期あたり12万~16万円(薬代も含む)」。
不妊に向き合うとき本当に必要な知識、科学的根拠に基づいた最新の医療を知るには、最適・最高・最強のガイドブックです。