榎戸誠の情熱的読書のすすめ -3つの読書論・ことばのオアシス・国語力常識クイズ(一問一答!)-

写真とイラストで分かり易いメダカの飼育解説書・・・【情熱的読書人間のないしょ話(498)】

【amazon 『メダカ生活はじめませんか?』 カスタマーレビュー 2016年8月23日】 情熱的読書人間のないしょ話(498)

30歳で亡くなった明治期の彫刻家・荻原碌山が死の直前に制作した作品「女」は、私の心を激しく揺さぶります。荻原が生涯憧れ続けた3歳年上の人妻・相馬黒光が夫の不倫に悩み、次男の急逝を悲しみながらも、気丈に耐えようとしている様を表現しているからです。

IMG_1508

閑話休題、『メダカ生活はじめませんか』(馬場浩司監修、ナツメ社)は、私の好きなメダカの飼育解説書です。

私は数年間、野生のミナミメダカ(クロメダカ)を飼育した経験がありますが、次はビオトープ形式にしたいと考えています。「屋外飼育では、容器内に自然環境下に近い状態を再現することで、水換えなしでも飼育することができます。なぜそのようなことが可能なのか。それは、容器内でひとつの生態系が生み出されるためです」。

「生き物は、互いに食べたり食べられたりといった関係性のもとで成り立っています。メダカの飼育容器で見ると、容器内に発生した植物プランクトンを動物プランクトンが食べ、さらにメダカが動物プランクトンを食べます。そしてメダカから排泄される糞は、土のなかの微生物が分解し、植物の栄養源となります。植物はそれによってすくすくと育ち、光合成をして水中内に酸素を供給します。このようなしくみによって、人が手を加えなくてもメダカは生きることができるのです」。そして、飼育環境の具体的な作り方が写真とイラストを用いて説明されています。