アイヒマン裁判の撮影に敢然と取り組んだ男たちの内幕を映画化・・・【情熱的読書人間のないしょ話(583)】
散策中に、紫色の萼が鮮やかなサルビア・レウカンサ(メキシカンブッシュセージ、アメジストセージ)の群落を見つけました。エンジェルズトランペットがトランペット状の花をたくさんぶら下げています。ジンジャー・リリーの白い花は甘い香りがします。マルバルコウ(マルバルコウソウ)は小さな橙色の花を、隣のマメアサガオは小さな白い花を、競い合うかのように咲かせています。夕刻、雲間から白い半月が顔を覗かせました。因みに、本日の歩数は10,281でした。
閑話休題、映画『アイヒマン・ショー――歴史を映した男たち』(DVD『アイヒマン・ショー――歴史を映す男たち』<ポール・アンドリュー・ウィリアムズ監督、マーティン・フリーマン、アンソニー・ラパリア出演、ポニーキャニオン>)には、いろいろと考えさせられました。
アウシュヴィッツのホロコーストに指導的な役割を果たしたナチス親衛隊中佐、アドルフ・アイヒマンは、戦後、偽名を用いてアルゼンチンで逃亡生活を送っていましたが、イスラエル諜報特務庁(モサド)に発見され、1961年にイスラエルのエルサルムで裁判にかけられます。
この長期に亘った世紀の裁判を撮影し、映像を世界各国に届けるという一大プロジェクトに敢然と取り組んだプロデューサー、ミルトン・フルックマンと監督、レオ・フルヴィッツを中心とする制作チームの男たちが、次々と襲い来る困難を乗り越えていった内幕を映画化したものです。
ホロコーストの目を背けたくなるモノクロの記録映像、アウシュヴィッツを何とか生き延びた証人たちの生々しい証言、アイヒマンを鋭く追及する検事、感情を一切表さない被告席のアイヒマンに苛立つ監督、制作方針を巡って監督と意見が衝突するプロデューサー――が織り成すドラマは、ホロコーストとは何だったのかと私たちに鋭く迫ってきます。