榎戸誠の情熱的読書のすすめ -3つの読書論・ことばのオアシス・国語力常識クイズ(一問一答!)-

本書で『論語』を学んだ小学生に負けないように生きなくては・・・【情熱的読書人間のないしょ話(599)】

【amazon 『小学生のための論語』 カスタマーレビュー 2016年11月28日】 情熱的読書人間のないしょ話(599)

千葉・印西で、いろいろな植物を観察することができました。ゴンズイの赤い実が弾けて黒い種が見えています。サネカズラの赤い実、サルトリイバラの赤い実が鮮やかです。ニシキギが美しく紅葉し、赤紫色の実が弾けています。ヌルデの茶色い実がたくさんぶら下がっています。キリが黒い実と蕾を付けています。ネムノキの実はインゲンマメ状です。ガマの実が弾けて綿のようになっています。ヒイラギが小さな白い花を咲かせています。パンパスグラス(シロガネヨシ)の花穂が背比べをしています。残雪の上にイロハモミジが散っています。

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閑話休題、『小学生のための論語――声に出して、わかって、おぼえる』(齋藤孝著、PHP研究所)は、本来、小学生のために書かれたものですが、大人も十分楽しめます。

「どのように生きたらいいんだろう?」、「勉強ができるようになりたい」、「友だちと仲良くするにはどうしたらいいんだろう?」、「世の中の役に立つ人になりたい」といった子供たちの疑問に答える形になっています。

例えば、「霊や前世ってあるの?」という問いに対しては、「未(いま)だ生を知らず、焉(いずく)んぞ死を知らん」という答えで応じています。「生きるということについてもよくわからないのに、どうして死がわかるだろうか」という意味の次に、「生きている人に死後のことはわからないんだよ」という著者の言葉が添えられています。「よく『あなたの前世は』とか『死んだあとは霊になって』という話を聞きますね。でもそんなことを言うのはおかしい、と孔子先生は言っています。だって死んで生き返った人はいないんだから、死んだらどうなるかなんて、誰にもわからないんです」。

「生きる上で大切なこと」には、「己れの欲せざる所を、人に施すこと勿(な)かれ」、「自分が望まないことは、人にやらないことだ」。「自分がされていやなことは、人にやってはいけません」と諭しています。

「夏休みの宿題が憂うつ」には、「人にして遠き慮(おもんぱか)り無ければ、必ず近き憂い有り」、「先のことを見通さないですごしていると、身近に心配事が起きてしまう」。「さっさと片づけてしまえば、気がかりがなくなるよ」と促しています。

「テストが返ってきたら」には、「過ちて改めざる、是れを過ちと謂(い)う」、「過ちをしても改めないのを、本当の過ちという」。「テストで間違ったら『ラッキー』と思おう」と、著者は前向きです。

「何を求めて生きる?」という問いには、「朝(あした)に道を聞きては、夕べに死すとも可なり」、「朝、生きるべき真理の道が聞けたら、その日の晩、死んでもかまわない」。著者曰く、「人は理想を求めつづけて生きることが大切なんだ」。

本書で『論語』を学んだ小学生に負けないように生きなくては、と反省頻りの私です。