榎戸誠の情熱的読書のすすめ -3つの読書論・ことばのオアシス・国語力常識クイズ(一問一答!)-

「中学英語ではこう習う」と「ネイティブならこう教える!」の落差に愕然・・・【情熱的読書人間のないしょ話(627)】

【amazon 『もしもネイティブが中学英語を教えたら』 カスタマーレビュー 2016年12月27日】 情熱的読書人間のないしょ話(627)

夕空を眺めながら、その日の行動を振り返り、反省するのが習慣になっています。因みに、本日の歩数は10,529でした。

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閑話休題、『もしもネイティブが中学英語を教えたら』(デイビッド・セイン著、アスコム)を軽い気持ちで読み始めたら、あまりの面白さに一気に読み通してしまいました。

●中学英語ではこう習う=She is not a student.(彼女は学生じゃないんです!) ●ネイティブならこう教える!=She’s not a student.(彼女は学生ではありません)→実際にネイティブがよく使うのは、会話でも文章でもほとんどが短縮形です。短縮しないと「彼女は学生じゃないんです!」とわざと強調しているような響きになります。

●中学英語ではこう習う=He was given this present by Linda.(彼はリンダからこのプレゼントをもらった) ●ネイティブならこう教える!=Linda gave him this present.(リンダは彼にこのプレゼントをあげた)→実はネイティブは回りくどい受動態を使うよりも、能動態で簡潔に表現するのを好みます。

●中学英語ではこう習う=I want something to drink.(私は何か飲み物がほしい<だから持って来い> ●ネイティブならこう教える!=I’d like something to drink.(何か飲み物がほしいのですが)→実は、I want・・・だと「何か~するためのものがほしいから持って来い」と威張った物言いに! 代わりにネイティブはI’d like・・・を使って謙虚にお願いをするんです。

●中学英語ではこう習う=I was sad when I heard the news.(そのニュースを聞いて私は悲しかった) ●ネイティブならこう教える!=The news made me sad.(そのニュースを聞いて私は悲しかった)→接続詞whenを使いたくなりますが、ネイティブからすると回りくどく、代わりにネイティブが大好きなのが無生物主語の文。the newsを主語にすると簡潔でリアルな表現に生まれ変わりますよ!

●中学英語ではこう習う=How nice this car is!(これはなんていい車なのだ! ●ネイティブならこう教える!=What a nice car!(なんていい車だ!)→残念ながら<How+形容詞+主語+動詞!>は今ではほぼ死語です。

●間違えやすい中学英語=What is your job?(あなたは一体どんな仕事をしているのですか?) ●ネイティブならこう教える!=What do you do?(あなたは何をしていますか?<職業は何?>)→What is your job?は直截的で失礼にあたるので、人に仕事を聞くなら、ちょっと遠回しな言い方のWhat do you do?を使うのがマナー!

●中学英語ではこう教える=Can you speak English?(あなたは英語を話せるだけの能力はありますか?) ●ネイティブならこう教える!=Do you speak English?(あなたは英語を話しますか?)→Can you・・・?だと「英語を話せるだけの能力はありますか?」と大変失礼な物言いに! 能力ではなく習慣として話すか尋ねるので、現在形のDo you・・・?(~しますか?)でOKです。

●中学英語ではこう習う=She’s a lawyer whom I know very well.(彼女は私がよく知っているところの弁護士です) ●ネイティブならこう教える!=She’s a lawyer, and I know her really well.(彼女は弁護士で、私は彼女のことをとてもよく知っています)→関係代名詞の目的格whomは、英会話では使わずに表現したほうが自然です。例文でも、whomで無理に1文にせず、andで表したほうが「わかりやすい英語」に。

ことほどさように、目から鱗が落ちる実例が満載の一冊です。錆びついた英語力をブラッシュ・アップしたくなりました。