世界各国の幻想的な天空の城44の写真集・・・【情熱的読書人間のないしょ話(705)】
シネラリア(サイネリア)が青い花を咲かせています。カルセオラリアが黄色い花を付けています。八重咲きプリムラ・ジュリアンのロイヤルパープルエッジの花はさまざまな色合いのものがあります。クリスマスローズが俯き加減に花を咲かせていますが、多彩な花弁に見えるのは萼です。散ったツバキの花は余韻があります。
閑話休題、『世界の天空の城――歴史ロマンあふれる夢想遺産』(アフロ写真、水野久美文、青幻舎)では、世界各国の幻想的な天空の城44が紹介されています。
チヴィタ・ディ・バーニョレージョ(イタリア・ラツィオ州、2500年以前築城)は、儚くも美しい滅びゆく天空の城塞都市です。岩山の山頂に建てられた城が陽を浴びて闇の中に浮かび上がる様は、この世のものとは思えないほど幻想的です。
スワローズ・ネスト(ウクライナ・ヤルタ、1912年築城)は、クリミア半島の岬に突き出た断崖上に聳えています。40mの断崖の上の白い城と眼下の碧い黒海が目を瞠らせる美しいコントラストをなしています。
マチュ・ピチュ(ペルー・ウルバンバ谷、15世紀築城)は、インカ帝国が遺した幻の空中都市です。帝国の滅亡から400年も眠っていた都市遺跡は、アンデス山脈中腹の標高2430mの尾根に築かれています。
郡上八幡城(日本・岐阜県郡上市、1559年築城)は、司馬遼太郎が日本で最も美しい山城と称えた城です。標高354mの八幡山山頂に聳える城の天守が広大な緑の中にぽつんと浮かんでいます。
越前大野城(日本・福井県大野市、1575年築城)は、雲海の中に浮かび上がる文字どおり天空の城です。秋と春の早朝や、前日に雨が降り放射冷却で冷え込んだ朝に、運がよければ雲海に浮かぶ光景を目にすることができるそうです。
竹田城跡(日本・兵庫県朝来市、1433年築城)は、雲間に浮かぶ中世末期の山城の遺構です。廃城から400年を経てもなお石垣群が完存している稀少な遺跡です。晩秋のよく晴れた早朝、城跡の南東に位置する朝来山中腹、立雲峡から望むのがベストとされています。私の場合、20分かけて城跡までの急坂を登ってしまったため、残念ながら雲海に浮かぶ姿は見ることができませんでした。
備中松山城(日本・岡山県高梁市、1683年築城)は、日本最高所の現存天守がポイントです。標高430mの臥牛山山頂に聳える天守が雲海に浮かんでいます。秋から早春にかけて早朝に幻想的な雲海が発生し易いと言われています。
日本にも素晴らしい天空の城があってよかったと、つくづく思う私なのです。