榎戸誠の情熱的読書のすすめ -3つの読書論・ことばのオアシス・国語力常識クイズ(一問一答!)-

寄生生物が人をマインド・コントロールしているという恐ろしい研究結果・・・【情熱的読書人間のないしょ話(751)】

【amazon 『心を操る寄生生物』 カスタマーレビュー 2017年5月11日】 情熱的読書人間のないしょ話(751)

この10年間、インド周辺原産で全長40cmの黄緑色のワカケホンセイインコを見かけるものの、写真撮影は失敗続きでした。今回、妹夫婦の強力な協力(現れる場所、現れる時間帯、現れる要件などの調査、2週間に亘る下見、準備など)を得て、間近からカメラに収めることができました。喉に黒い帯状斑があるのが雄で、ないのが雌です。あちこちで、さまざまな色のバラが咲き競っています。因みに、本日の歩数は23,431でした。

閑話休題、『心を操る寄生生物――感情から文化・社会まで』(キャスリン・マコーリフ著、西田美緒子訳、インターシフト)には、俄かには信じ難いことが書かれています。

私たちは、脳や腸内などに棲み着いたパラサイト(寄生生物)によって操られているというのです。私たちが知らないうちに、私たちの性格や行動が影響されている、すなわち、マインド・コントロールされているというのです。

例えば、トキソプラズマ原虫は、ネズミ→ネコ→ヒトという経路で感染し、私たちの脳に棲み着きます。これまで、医学的に問題になるのは妊婦への感染のケースとされてきたのですが、近年、神経科学者や心理学者らの研究によって、ヒトの気分や性格が変えられてしまい、感染者が危険な行動に駆り立てられることが明らかになってきました。さらに、統合失調症との関わりも指摘されています。

元々、ネズミはネコを恐れるものですが、トキソプラズマに感染したネズミは却ってネコに惹きつけられるようになってしまいます。トキソプラズマがネズミの性ホルモンに作用し、嗅覚を変えてしまうのではないかと考えられています。

また、イヌからヒトの脳へ感染するトキソカラという回虫は、知的障害を起こすリスクがあることが分かってきました。回虫の幼虫が、脳内の学習と記憶に関わる領域に集まり、影響を及ぼすのです。

私たちの腸内の細菌が、肉体の健康に大きな役割を果たしていることは知られてきましたが、動物実験で、腸内細菌が精神面でも重大な影響を及ぼしていることが分かってきました。

これらは、近年、目覚ましい進展を見せている神経寄生生物学という新しい研究分野の成果です。

「もし寄生生物が精神疾患や交通事故の原因だとしたら、どうすれば私たちの脳から立ち退かせることができるのか、さもなければ力を阻止できるのか? もし私たちの腸内細菌が私たちの気分を明るくして不安を小さくしてくれるとしたら、どうすればもっとうまく利用できるのか? もし感染への不安が文化戦争や実際の戦争の背後にまで潜んでいるとしたら、それを知ることが重要ではないのか?」というのが、著者の問いかけです。

研究や実験で一定の結果が得られつつあることは確かですが、相関関係か因果関係かの一層の見極めが必要な段階だと、私は考えています。