高校生がフクロウの雛を育て、野生に返すまでの交流の記録・・・【情熱的読書人間のないしょ話(804)】
散策中、直径3.5cmほどもある大きなカタツムリを見つけました。さまざまなキノコが生えています。因みに、本日の歩数は10,318でした。
閑話休題、『イートン校の2羽のフクロウ』(ジョナサン・フランクリン著、清水玲奈訳、エクスナレッジ)は、英国のイートン校の生徒だった著者がモリフクロウの2羽の雛を育て、野生に返すまでの飼育記録です。
2羽は「ダム」、「ディー」と名付けられました。
「数ヤードほど羽ばたけるようになると、早朝にケージから出してやる時、2羽はいつも興奮した。6時半に、飛び上がってケージの天井に頭を打ち付けて僕を起こす」。
「翼を半分だけ広げてとても低くしゃがみこみ、それからジャンプしてベッドの端に飛び乗る。次はとてもゆっくりと注意深く、つま先立ちで僕の左足と胴体の上をずっと歩いていくのが好きだった。そうされるとひどくくすぐったかったが、僕はダムの邪魔をしたくなくて、なんとか我慢した。肩までたどり着くと、僕の顔をじっと見て、耳や鼻をそっと甘噛みし、髪の毛をつまんで遊ぶ。それに飽きると、靴箱兼サイドテーブルに飛び乗って、片足で立ち、大げさなくらい興味深げに部屋中を見渡すのだった」。
「僕はやがて、フクロウたちはこれまで見た鳥の中で最も表情豊かな目をしていることに気付く。瞳孔の中心は濃い青みがかった茶色で、その周りは茶色の縞模様。とても美しい目で、空腹、情熱、興奮、怒り、それに幸福感といった感情を伝え、それはいつも鳴き声のトーンに見事に調和している。鳴き声は変化に富み、頻繁に聞かれた。・・・表情豊かな目と多彩な言語を持つディーとダムと僕は、すぐに気心の知れた仲になった」。
「フクロウたちがイートン校に来て2週間が経った。ディーとダムは生後7週間になっていて、僕がフクロウを飼っているというニュースは学校中に知れ渡り、えさの入った小包が次々と届くようになった。・・・包みから取り出した奇妙なものを目にして、思わず吐き気を催した。テーブルに横たわっているのは、僕がそれまで見た中で一番大きなドブネズミ。言うまでもなく、朝食はほとんどのどを通らなかった」。
フクロウの雛を育てるのは、本当に大変なのです。「僕はフクロウ小屋に2羽を入れて、ネズミを1匹ずつ与えてから(学校へ行くので)さよならを言った。2羽はそれを丸ごと飲み込み、口の脇からしっぽを垂らしたまま、満足げに眠ってしまった」。「えさの内容はどんどん自然に近づいていった。通常は1日2回、ネズミやスズメ、ドブネズミを与える」。
「できるだけ早くフクロウを自然に返すことが重要だと考え、フクロウたちが自立できるように訓練をしていた」。
よほどの鳥好きでも、フクロウの飼育には覚悟が要るということを痛感させられました。