榎戸誠の情熱的読書のすすめ -3つの読書論・ことばのオアシス・国語力常識クイズ(一問一答!)-

テレビドラマ『やすらぎの郷』が中高年の視聴者を惹き付けた3つの理由・・・【情熱的読書人間のないしょ話(902)】

【amazon DVD-BOX『やすらぎの郷』 カスタマーレビュー 2017年10月3日】 情熱的読書人間のないしょ話(902)

散策中に、ホップの実を見つけました。我が家に、人間には無害で、小バエやダニを獲物としているクモ、ミスジハエトリの雄が現れました。友人の中川浩さんがお絞りで作った白兎は愛くるしいです。因みに、本日の歩数は10,716でした。

閑話休題、私たち夫婦は『やすらぎの郷(さと)』ロスに陥っています。テレビ朝日系列で2017年4月から9月まで129回に亘り放送されたドラマ『やすらぎの郷』が終わってしまったからです。

やすらぎの郷』(DVD-BOX『やすらぎの郷』<倉本聰脚本、藤田明二・阿部雄一・池添博・唐木希浩演出、石坂浩二・浅丘ルリ子・加賀まりこ出演、TCエンタテインメント>)が中高年の視聴者を惹き付けた理由は、3つあります。

第1は、若者向けのドラマが幅を利かす状況下で、大人の鑑賞に耐え得るドラマが出現したこと。中高年に馴染み深い石坂浩二、藤竜也、ミッキー・カーチス、山本圭、浅丘ルリ子、加賀まりこ、八千草薫、有馬稲子、野際陽子、五月みどり、風吹じゅんなど昭和期に活躍した芸能人の現在の姿に接する楽しみだけでなく、高齢者が知っておくべき、端末のメールの打ち方、認知症、死の迎え方、葬儀、相続などの知識が習得できるように配慮されていること。

第2は、ユーモアを基調としながら、家族、夫婦、親子、不倫、強姦、更生、友情、芸能界、老人ホームなどシリアスなテーマが、次々と取り上げられていること。

第3は、遊びが随所に鏤められていること。かつてテレビの世界で活躍した人物だけが無料で入居できるとされる高級老人ホームを舞台に、主人公で70代後半の脚本家役の石坂浩二、現実世界で石坂と恋人関係にあった加賀まりこ、石坂の元妻・浅丘ルリ子のやり取りが展開されること、脚本家・倉本聰が乗った車椅子を、主題歌を歌っている中島みゆきが押していくシーンがさりげなく挿入されていること、かつての大スター役として登場する人物たちのモデル探しが楽しめることなど、盛りだくさんです。