東京にも、名木がこんなにたくさんあるとは・・・【情熱的読書人間のないしょ話(922)】
買って間もない私の大きな双眼鏡を首から掛けた女房が、「カワセミよ」と緊張した声を上げました。私は慌ててカメラを構え、シャッターを切りました。カワセミの雄です! ハナミズキの赤い実が、太陽を浴び輝いています。因みに、本日の歩数は14,128でした。
閑話休題、『東京名木探訪』(近田文弘文、川嶋隆義写真、技術評論社)は、樹木学の立場から見た東京都全域の巨樹、名木、いわれのある木の写真集です。
葛飾区・水元公園のメタセコイアの林は、日本の景色とは思われない壮観さです。「水元公園のメタセコイア林は、1000本以上の真っ直ぐに伸びる幹が並ぶ美しい林です。樹高は約30メートル、幹の太さは平均1.34メートルだそうです」。外国のような景観と書きましたが、メタセコイアは100万年前までは日本でも自生していたそうです。紅葉の時期に訪れたくなりました。
台東区・東京国立博物館の黄葉したユリノキの樹形は、これぞ名木と言っても過言でない美しさです。「葉が少し空いてくるこの季節には、枝張りの見事さが際立ってくる。株元に放射状に広がった根といい、見飽きない造形の妙」。博物館のこのユリノキはこれまで何度も目にしているはずなのに、その美しさには気が付きませんでした。
美しい紅葉が楽しめる公園として、杉並区・大田黒公園と、練馬区・石神井公園が紹介されています。大田黒公園については、昨秋、イルミネーションに照らされた紅葉を堪能することができました。石神井公園の湖面に映る紅葉したメタセコイア並木を見たくなりました。
調布市・野川公園のエノキは、葉を堂々と繁らせています。「太く短い幹とお椀を伏せたような樹冠を持つ、見事な樹木です。樹高は約17メートル、幹の直径は約1.5メートルで、枝張りは半径約10メートルあります」。地上2メートルの所で幹が10本以上の大枝に分かれ、それぞれの大枝が放射状に広がっています。名字を同じくする私(榎戸<エノキド>)としては、東八道路と野川に挟まれた北地区にあるこのエノキに一度ご挨拶しなくてはと考えています。