榎戸誠の情熱的読書のすすめ -3つの読書論・ことばのオアシス・国語力常識クイズ(一問一答!)-

深海では、私たちの想像を大きく超える生物たちが蠢いているのだ・・・【情熱的読書人間のないしょ話(1084)】

【amazon 『けったいな生きもの ぴかぴか深海生物』 カスタマーレビュー 2018年4月11日】 情熱的読書人間のないしょ話(1084)

我が家のハナミズキの総苞が赤から桃色に変わってきました。桃色のクルメツツジが満開を迎えています。フクロナデシコが次から次へと桃色の花を咲かせています。フリージアの黄色い花が完全に開きました。橙色のに続いて、黄色のキンセンカも咲き始めました。散策中、あちこちでフジが独特の香りを放っています。かつて、柏レイソルの試合も行われた柏の葉公園の総合競技場は、シーンと静まり返っています。因みに、本日の歩数は10,283でした。

閑話休題、『けったいな生きもの ぴかぴか深海生物』(エリック・ホイト著、北村雄一訳、化学同人)は、奇怪な深海生物のオン・パレイドです。海の水深200m以上の深い場所を深海というそうです。

クロアンコウ。「おでこから生えたつりざおの中には光るバクテリアがいるの。その光でえものをおびき寄せるのよ。メスは12センチになるけど、オスは2センチしかないわ。オスはメスに寄生して、いっしょになった二人は死ぬまではなれないのよ」。

クチキレウキガイ。「あたしは巻貝マキ! 貝がらはうすくて透明だから内臓が見えるマキよ」。

オオタルマワシ。「わらわはエイリアンのようじゃろ? 大きな目と、足のつめでえものをつかまえるのじゃ」。

オニキンメ。「どうだ、おそろしいだろ! 歯が大きすぎて口を閉じることができぬ。逆に口を広げると180度開く」。

アカチョウチンクラゲ。「うちの体の中に赤いものがあるでっしゃろ? 赤ちょうちんってこの部分のことですねん。本当は胃とかなんやけど、体を縮めると、本物のちょうちんみたいに、ぱたぱたと折りたたまるんですわ」。

ウシナマコのなかま。「体が透明だから中が見えるでしょ? 右が口、左がおしり、黄色いのは腸よ。あたしの食生活はミミズと似てるかな。泥を食べて、きれいになった泥をウンチにして出すの。自然をきれいにする働きをしているわよ」。

ホウライエソ。「見ろよこの口! するどい歯がずらっと生えてるだろ? 体には発光器が規則正しく並んでる」。

深海のイソギンチャク。「わがはいはイソギンチャク。だけど種類がわからんのです。わがはいはインド洋の深海の海底にある山から見つかったのです。花のように美しいでしょう。だが毒針をもっておりまして、さわったえものをさしますぞ」。

ジュウモンジダコのなかま。「あたしはヒレをゆったりと羽ばたかせて泳ぐわ。ディズニー映画に登場する空飛ぶゾウ『ダンボ』に似てるから『ダンボダコ』とも呼ばれるわ」。

深海性のギボシムシ。「われには日本語の名前はないが、学名が『ヨーダ』であるから、そう呼ぶがよい、われは新種である。発見されたのは2010年、大西洋の真ん中、水深3700メートルである。われは、背骨をもつ動物と背骨をもたぬ動物の中間なり」。

クシクラゲ。「大きな口じゃろ? というか、体が口だけみたいじゃな」。

こうした生き物たちは、なぜ奇妙で奇怪なのでしょうか。「それはひとえに環境のせいです。彼らは深海の特殊な環境に適応しているから奇怪なのです。深海には想像を絶する大きな水圧があり、さらには光のない暗黒の世界です。太陽光線の99%は、海の表面からわずか100メートルの間で水に吸収され、消えてしまうのです」。

深海では、私たちの想像を大きく超える生物たちが蠢いていることを、本書が教えてくれました。