家の中の生き物たちに対する謂れなき誤解に気づかせてくれる一冊・・・【情熱的読書人間のないしょ話(1156)】
東京・飯田橋で専門医と意見交換した後、小石川後楽園を訪れました。ハス田でコシアキトンボを見つけました。胸部が白いのが雄、黄色いのが雌です。40分ほど粘って、交尾と、水面に腹先を打ち付けての産卵を目撃することができました。カメラに夢中の私を水中の怪物が見上げていると思ったら、クサガメでした。別の場所では、クサガメたちが甲羅干しを楽しんでいます。右手を上げて、挨拶(?)してくれました。ミシシッピアカミミガメは側頭部の赤い模様が目立ちます。スイレンが盛りを迎えています。ダイサギを見かけました。円月橋の水面に映る形が満月のようです。得仁堂は、徳川光圀が建てた園内で最古の建物です。因みに、本日の歩数は17,911でした。
閑話休題、『家の中のすごい生きもの図鑑』(久留飛克明文、村林タカノブ絵、山と溪谷社)は、いろいろと勉強になりました。
クロゴキブリ(体長25~30mm)の「テカテカのワックスは実は集合フェロモン。そのフェロモンによってお互いが惹かれあって集まって暮らす」。茶色くて小さいゴキブリはクロゴキブリの子供だとばかり思っていたが、チャバネゴキブリ(体長11~12mm)という種類のゴキブリだったとは。
「台所などでコバエと呼ばれ、その他大勢のハエみたいにいわれるけど、見かけてるはずや。正式名はキイロショウジョウバエ。果物なんかが発酵してできたアルコールに目がないんや」。本書のおかげで、コバエの正式名が分かりました。
アシダカグモ(体長20~30mm)曰く、「網を持たずに相手を仕留める徘徊性のクモと、編を張って相手を待ち伏せする造網性の2つがいる。私らは徘徊性。網を張らずに遭遇したゴキブリなんかをつかまえるんや、感心したか」。
ハエトリグモ(体長6~8mm)曰く、「私らハエトリグモもアシダカグモのやつらも人を噛むことはまずないな。誤解せんといてや」。
アカイエカ曰く、「活動時間は、あんたらが寝静まった夜中。耳元でブーーンて。悪いな、私らも起したくないんや。その息の炭酸ガスなんかに反応して、つい近づいてしまうんや。血を吸わんと、産卵できないから、命がけや」。
ヒトスジシマカ曰く、「アカイエカと違って、私らのボウフラは、家の周りにある小さい水溜りとか空き缶などコップ程度の水に産卵する。謙虚なもんや」。
ニホンヤモリ曰く、「夜になって台所の窓や玄関の街灯のそばで見かけたことあるやろ。小さい昆虫などが飛んでくると思って出勤してる」。
マルカメムシ曰く、「においは、仲間に『危ない』って伝えるための合図になってる。とくに危険なときは、1匹が出すと、ほかのもつられて出してしまうからすごくくさいで。密閉したところやと、私らも気絶する」。
キンバエの仲間が「足をこするのは、足先にある味覚を感じる器官をきれいにするため」。
家の中の生き物たちに対する言われなき誤解に気づかせてくれる一冊です。